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東芝:ロシア国営企業と原子力発電で協力 核燃料確保狙う

 【モスクワ大木俊治】ロシアの国営原子力企業アトムエネルゴプロムは20日、東芝と原子力発電分野で協力するための枠組み協定に調印したと発表した。

 両社の協力分野には、原発の設計・建設や原発用大型設備の製造、核燃料サイクルによる原発燃料の製造・供給などが含まれる。アトムエネルゴプロムは「協定は今後の両社間の戦略的パートナーシップ構築につながる可能性があり、日本や米国などへの安定した核燃料供給に寄与する」としている。

 アトムエネルゴプロムはロシアの原発部門を統括する国営企業。東シベリアのアンガルスクに国際的な核燃料サイクル工場を建設中で、国産ウランのほかカザフスタンなどから輸入するウランを濃縮し、海外へ輸出する構想を持っている。また同社傘下のアトムストロイエクスポルトは、イランのブシェール原発建設に従事している。

 東芝は、06年に米原子力大手、ウエスチングハウスを約4900億円で買収し、世界的な原発メーカーに成長。既に米国や中国などで新規建設の受注に成功している。ロシアは国内に30基以上の原発が稼働する「原発大国」で、経済発展に伴い電力需要が急増していることから、受注拡大が見込めると判断した。

 東芝はカザフスタンでウラン鉱山の権益を保有しており、協定を足がかりに核燃料の製造、確保を進める狙いもある。

 日露政府間では、原子力分野の協力協定締結に向けた交渉が進められているが、軍事転用を避けるための措置などをめぐって交渉が難航しており、民間協力がこれに先んじた形になった。

毎日新聞 2008年3月20日 21時30分 (最終更新時間 3月20日 22時57分)

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