東芝は21日、子会社で産業廃棄物処理を手掛けるテルム(横浜市)が、北九州市の汚染土壌浄化施設の処理能力を増強すると発表した。ポリ塩化ビフェニール(PCB)などの汚染物質の除去で、従来の7倍近い処理能力を持つ施設を約19億円かけて建設する。2008年10月から3カ月間の実証実験を開始し、実用化を目指す。
施設は4階建てで、延べ床面積約1600平方メートル。鴻池組が開発した間接熱脱着装置と、東芝が開発した水蒸気分解装置を大型化し、1時間あたりの処理能力を2トンに高める。既存施設は装置が小型だったため処理能力は同0.3トンだった。商用運転にメドが付けば、浄化施設全体の1日あたりの処理能力は約7倍の55トンとなる。
汚染土壌は東芝などが実用化した、土壌を過熱して汚染物を蒸発させたうえで汚染物を水蒸気で分解して無害化する「ジオスチーム法」で処理する。テルムは07年8月に汚染土壌浄化施設の運営を始め、08年1月末までに519トンを処理した。(17:01)