東芝は20日、ロシア国営のアトムエネルゴプロム社と、原子力エネルギー分野で相互協力関係の確立に向けた検討を開始することで基本合意したと発表した。日ロ政府間で交渉が進む原子力協定が締結されることを前提に、両社の具体的な協力策を探る。
両社は今後、ロシアでの新規原子力発電所建設や、タービンなど原子炉に必要な大型機器の製造や保守、ウラン採掘や精錬の3つの分野で、具体的な協力策を検討する。アトムエネルゴプロムはロシアの民生用原子力関連企業を統括する政府全額出資企業。
米ウエスチングハウスを傘下に持つ東芝は原子力機器の製造にとどまらず、燃料から燃料再処理までを含めた総合原発企業への脱皮を狙っている。昨年もウラン資源が豊富なカザフスタンのウラン鉱山の採掘権を取得。海外原子力企業との関係強化に力を入れている。(20日 23:01)