2005年06月25日 13:17 [Edit]
のれんの試練
もしかして、(自分の出演とは関係のない:)芸能ニュースをここでとりあげるのは初めてかも知れない)。
Ｏ・ウィンフリーがエルメスの入店拒否に激怒＝ＴＶで糾弾へ - livedoor ニュース【シカゴ２４日】米国のテレビトークショーの女王オプラ・ウィンフリーさん（写真）がパリの高級品店エルメスに入店を拒否された事実が判明した。
よりによって「世界最強セレブ」をソデにするとは。
店側は「言い訳」として、彼女が通常営業時間の後に来訪したことと、その時店ではPRイベントのための準備を進めていたということを挙げているが、他ならとにかく「ブランド店」でこれは情けない失策だ。
そう言い切れるのは、私も似たような状況にApple Storeで遭遇したからだ。詳しい顛末は「虎を尾を踏む」をごらん頂くとして、少なくともApple Storeは私の窮状を放置しなかった。そのPRイベントがどんなものだったかは想像もつかないが、Pantherの発売ほどではなかっただろう。
「彼女がセレブをかさに来て特別扱いを受けようとしている」という人もいるかも知れない。申し訳ないがそういう人はブランドを避けた方がいい。セレブ(ああ舌が浮く)であるということは、祝福であると同時に呪いでもある。彼女が通常営業直後に訪れたのは、むしろ一般客に対する配慮であったと思うし、店にはその「窮状」を察するだけの器量が求められたはずだ。
私が好んで買うブランドは、せいぜいAppleぐらいであり、私にどれだけブランドを語る資格があるかはわからない。しかし一つだけ言えるのは、ブランドは「買う」のではなく「つきあう」のだということだ。単に「買う」だけなら、質流れ品や中古で十分なのだ。わざわざのれんを下げた店まで足を運ぶのは、接客や問題解決まで含めて「つきあう」ためなのだ。
その意味で、今回のエルメスの対応は実に「安っぽかった」。一般人が一般人の友人を「もてなす」時ですら、パーティーの時間に遅れて来て、後片付けが始まっているときに「今日はもうお開きです」というだろうか?、私ならもてなしきれない非礼を詫びた上で、それでも勝手口に通して茶の一杯ぐらいは出す。
確かにOprah Winfreyは最も難しい客である。セレブで、大の読書家で、女性で、黒人。「敵に回した」時に使えるカードの多さと来たら。どの属性に対して粗相をはたらいても「返り討ち」だ。だからこそ、腹をくくって接客すべき相手であるし、相手の信頼を勝ち取ったときの価値も大きい。
しかし、のれんの本当の真価は試練の時にこそ発揮される。ここで一流の土下座ぶりを見せて、ふった雨で地を固めて来たブランドも少なくない。優れたブランドには、たいていの場合優れた「土下座組」がいると聞く。エルメスはどうであろうか。その名前に恥じない切り返しを、一ブランドウォッチャーとして期待させていただく。
Dan the Brand(ed|ing) Man
この記事へのトラックバックURL
キャンセルしました。なんかねーーーー、バカだとおもいました。これがマニュアル接客ってやつねー、ト感心しましたわーー。
ブランドであるはずなのに自らがそのイメージをぶち壊しかねないとんでもないことも起こります。
いえ、ミスを責めるわけではありません。人の行うことですから数あるうちにはミスも起こります。でも、やはり大切なのはその対応ですね。
偽ブランド品がセーフな理由は何でしょう?
他人のブランドのイメージを、密輸で人為的にぶち壊す池内氏の行為はミスとは言えませんが、どんな対応を見せてくれるのでしょうか?
お邪魔しました。