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台湾名義の国連加盟問う住民投票 国民党が拒否呼びかけへ

2008年03月12日21時14分

 22日の台湾総統選と同日に予定される「台湾名義」の国連加盟を問う住民投票に対し、野党国民党は12日、陳水扁(チェン・ショイピエン)総統が先週提示した延期案を拒否し、支持者に投票拒否を呼びかけることを正式決定した。与党民進党と支持を二分する国民党の決定で住民投票成立は難しい状況になり、民進党は苦しい立場に追い込まれた。

 住民投票の通過には、有権者の過半数が投票に参加したうえ、過半数の賛成が必要。陳総統は先週、住民投票法の「過半数の投票参加」の部分を削除する法改正に同意することを条件に延期を国民党に提案した。またそれに先だち民進党側は不成立という事態を回避しようと、台湾名義を外した形で立法院(国会)が住民投票を提案する案を国民党側に打診したが、いずれも選挙で優勢な国民党側が受け入れず、事態打開は成らなかった。

 一方、国民党は「中華民国名義」などで国連への復帰を求める住民投票を22日に実施する対案を出しており、こちらは投票を呼びかける。住民投票を提案した責任も考慮し、国連復帰を求めるという党としての立場を貫くとの判断だ。

 陳総統には今週中に「無条件」で住民投票を延期するという選択肢があるが、そこまでの譲歩は総統選で有権者に心理的悪影響を与えるとして党内に慎重意見が強い。

 民進党は引き続き有権者に「台湾名義」案への投票を呼びかける一方、国民党案にも支持を求める。最悪の場合は国民党案だけでも成立させ、国連加盟をめぐる住民投票を推進した党のメンツを保ちたいとの思惑だ。

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