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Mobile:NEWS 2003年3月7日 07:56 PM 更新

現役高校生が語る「ケータイライフ」

時間割をカメラで撮る、部活の仲間に連絡する、好きな人への告白をメールする──最近の高校生にとって携帯電話は、もはや欠かせないツールのようだ

 3月6日−7日にかけて都内で開催された、「モバイルインターネットと子ども」に関する国際ワークショップに現役高校生3人が登場、彼らがどのように携帯電話とつきあっているかを語った。

 このワークショップは、子どもがモバイルインターネットを利用する際、どのような危険があるのか、それに対し、どのような策が考えられるかを討議するためのもの。3人の高校生たちには、参加した国内外の専門家たちからの質問が殺到。ケータイ先進国の若者の利用実態は、彼らの目にも興味深く映ったようだ。


左から、auの「A3015SA」を使う長野の高校生 綱野君、ドコモの「P211i」を使う東京の高校生 矢野さん、司会を務めたChildnet InternationalのNigel Williams氏、ドコモの「N504i」を使う埼玉の高校生 木下さん。いずれも中学では携帯電話は禁止されていたといい、学校に持っていくようになったのは高校生になってから

学校でどのように使っているのか

 矢野さんと綱野君の学校では、校内で携帯電話を使う上での制限は特にないという。「授業中にメールを打っている人もいるが、先生は気づいても放っておく」(矢野さん)。使うのは「自己責任で」ということのようだ。

 綱野君の携帯電話は、今年の1月に買ったというカメラ付きケータイ「A3015SA」(2002年8月26日の記事参照)。カメラでは、自分や友達のほかに、黒板に書かれたことや、テストの日程、時間割などを撮っている。「時間割は、(カメラで撮れば)いちいち文字を打ち込まないでもすぐに見れる」(綱野君)。A3015SAに内蔵されている英和/和英辞書を使って「授業中に分からない言葉を調べることもある」。

 中には授業中にゲームをやっている生徒もいると綱野君。携帯電話を使ったカンニング事件を知り合いから聞いたことがあるといい、「その生徒は2週間の停学処分を受けたらしい」。

 綱野君が主に使うのは、通話とメールとインターネット。メールの相手は友達が多いという。通話とメールは半々ぐらいで、「1日20−30通ぐらいメールをやりとりしている」。友人の利用例として挙げられた「面識がない、友達の友達とのメールのやりとり」「誰かに告白するときにもメールを使う」というのも、今時の高校生らしい使われ方の1つだろう。

 矢野さんは、親との電話が多い。携帯電話でいつも連絡がとれるのが親の安心感につながっているという。通話とメールは半々ぐらいで使っていて、メールはクラブ活動の連絡や委員会の呼び出しなどが多い。「電話で言えないようなこともメールなら言える。それがメールのいいところ」。

 電話料金の支払いは、三者三様。矢野さんは親が払っていて、先月の電話代は7835円。「親との連絡が多いので、(少々高くても)文句を言われないのかも」。

 木下さんは、基本料金を超えた分をお小遣いから払っていて、綱野君は明確には決まっていないが、使いすぎるとお小遣いを減らされるそう。「家に帰ると請求書が置いてある。お小遣いが減る、使いすぎたと(請求書を見ると)危機感を持ちます」。

高校生は出会い系をどう考えているのか

 携帯電話を使った出会い系サイトがらみの犯罪が問題視される中、高校生である彼らもこの問題と無縁ではない。

 明らかに「出会い系」とうたうサイト以外にも危険があると指摘する木下さんは、友人の例を挙げた。その友人は趣味の友達を作ろうというサイトに参加、「最初は好きなバンドとか音楽の話をしていたが、メールをやりとりするうちに、いかがわしい内容に変わった」。

 矢野さんは、ティーン向け雑誌に出会い系サイトの広告が載っているのが問題なのではと考えている。「出会い系サイトがどのような影響を(児童に)与えるかを(私たちは)教わっていない」。そうした中で「洋服や靴などを見たいと思って買ったファッション雑誌の中に、出会い系サイトの広告がある」状況を危惧している。

 そういった雑誌の中には、出会い系サイトのいい点だけをアピールする広告、間接的に援助交際を勧めるような広告など、さまざまな出会い系広告が掲載されているという。中には悪意のない出会い系サイトの広告もあるのだろうが「(どれが危険な出会い系サイトで、どれが安全な出会い系サイトなのか)いったいどれが正しいのか分からない」。

 綱野君の周りには、出会い系サイトを使っている人もいる。男女を問わず危険な目にあった人がいるといい、「簡単に接続できる情報が野放しになっているのが問題」だと指摘した。

とはいえ、手放せない携帯電話

 木下さんが「たわいのない話も友達にダイレクトに連絡できる。とても便利になった」というように、彼らのコミュニケーションの中にはあたりまえのように携帯電話が組み込まれていると見える。

 矢野さんも「いつも最新情報を入手でき、状況を把握できるようになった。持たないと生活が大変になる」と話す。綱野君も同様で、「すぐこの瞬間に連絡が取れるのは自分にとって重要」。

 携帯電話は、既に手放せないものだというのが3人の共通した考え。携帯電話が本格的に普及し始めたのは1995年で、1980年代後半生まれの彼らは小さいときから何らかの形で携帯電話に接してきている。こうした世代にとっての携帯電話は、テレビのように「あってあたりまえ」のものになりつつあるのかもしれない。



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関連リンク
▼ 「モバイルインターネットと子ども」に関する国際ワークショップ
▼ インターネット協会
▼ チャイルドネットインターナショナル

[後藤祥子, ITmedia]

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