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関西電力が青森で「トリジェネ」の実証実験
関西電力は、トヨタ自動車の子会社のトヨタタービンアンドシステム(愛知県豊田市)などと共同で、コージェネレーション(熱電併給)システムで発生した電気、熱に加え、CO2(二酸化炭素)も有効活用する「トリジェネレーションシステム」の大規模な実証実験を、4月から青森県六ケ所村で実施する。現地にある広さ約2万平方メートルの花き栽培温室にシステムを導入し、2年間をかけて30%の花きの生産性向上と、年間約90トンのCO2削減効果などを検証する。
このプロジェクトには両社に加え、制御機器メーカーのグローバリーテック(京都市南区)、繊維メーカーのクラボウの4社が参加する。
実証実験は、トヨタグループで花き事業を手がけているトヨタフローリテック(青森県六ケ所村)の花き栽培温室(同)で実施する。出力50キロワットのマイクロガスタービンコージェネ発電設備から生産される電気、熱、CO2を温室内で有効活用する。
具体的には、発電した電気は温室内の照明などに利用。発電時に発生する排熱は回収し、温水ヒーターでさらに加熱して温室内を暖めるのに使用する。
また、CO2は脱硝装置で窒素酸化物を除去し、清浄なCO2ガスを温室内に供給することで、栽培する花きの光合成を促進させるのに利用する。
同温室では、現在、年間約200万ポットのミニバラと、ゼラニウムやポインセチアなど、その他の花きも同約200万ポット生産している。
今回のトリジェネの実証実験を通し、「約30%の生産性向上とともに、ボリューム感があって、葉の鮮やかな高品質花きの育成を目指したい」(関西電力エネルギービジネス戦略グループの手島泰マネージャー)としている。