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生命を懸けるフリージャーナリストたちが、大手メディアを語る。(中)

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生命を懸けるフリージャーナリストたちが、大手メディアを語る。(中)
綿井健陽は、「戦争取材で、ジャーナリストが戦闘に巻き込まれて死亡するケースはまれです。地元の記者を狙った、意図的な殺人です」と話す。日本プレスセンターホールで。(撮影:穂高健一、3月14日)
【PJ 2008年03月23日】− (上)からのつづき。司会・進行の夫馬基彦さんが綿井健陽(たけはる、ビデオジャーナリスト、1971年大阪生まれ)さんを指名した。「長井健司さんの射殺事件ようなことが起こると、ひょっとしたら自分も(犠牲になる)と、お考えになりますか」と聞いた。

 綿井さんは、スリランカ民族紛争、スーダン飢餓、東ティモール独立紛争、米国のアフガニスタン攻撃、そしてイラク戦争などを取材する。特に、イラク戦争では、TVなどで、バグダッドからレポートした綿井さんは印象的だ。

 「長井さんとは2003年にバグダッドで会っています。3年前に東京で、インターネット番組で一緒に仕事をしていました。射殺の映像を見たとき、これは公開処刑だな、と思いました。見せしめです」。そのうえで、長井さんがカメラを持っていなかったら殺されなかっただろう、と語る。

 「世界中で、92年以降の15年間に、報道関係者661人が取材にかかわる行為で、死亡しています。(事故は入っていない。殺害のみ)。圧倒的に多いのはイラクで120人。アルジェリア60人、ロシア47人、フィリピン32人です」と綿井さんはジャーナリストの被害者を数字で示す。

 「戦争取材で、報道関係者が戦闘に巻き込まれて、死亡するケースはまれです。ほとんどが意図的な殺人。一番多いのが地元の記者で、85%に及びます。ビルマだって、同じだと思います。これらの容疑者は政治組織、政府関係者であり、取材内容に対する報復とか、政治的な理由で狙われるのです」。

 長井さんの場合のように、軍とか兵士とかが殺害するケースは1割にも満たないとつけ加えた。

 「私は外国で取材するとなれば、絶対一人では行きません。通訳、助手、運転手などといっしょに行動します。狙われるのはそれら地元の人です。自分は助かり、地元の協力者が殺されるのではないか。その怖さが常にあります」

 「一昨年、去年とバグダッドに取材にいきました。地元ジャーナリストと行動し、ともに仕事をしてきました。少なからず恐怖を感じていました。地元記者の安全確保と、取材態勢とがどう維持できるかな、と思いながら」と話す。

 司会の夫馬基彦さんが綿井健陽に聞いた。「どうして朝日、読売とか、TBS、NHKとか、大メディアの社員やディレクターが直接、(戦争現場)取材に出むかないのか。ぼくなどは疑問に思う。それは危ない仕事、危険な仕事はフリーの人間に押し付ける、ということでしょうか」

 「この話はよく出てきます。大メディアが危険な場所で取材しない。これを問題視するのでなく、フリーランスに登録した記者、フリーライターの記事を使う、各社でそれぞれ、いろいろな判断があっても良いと思う。危険を競い合う必要はない。欧米メディアの場合はけっこうバラバラです。イラク戦争の場合、さっさと引き揚げた大手メディアがあれば、ずっと残ったところもありました。ただ、日本のメディアは横並びになる、そこに問題があるのです」と指摘した。

 「湾岸戦争のときも、開戦の何日かまえに、日本のメディアが全部撤退しました。各社の外信部部長会議で、何日までに撤退しましょう、と申し合わせしたからです。イラク戦争では、申し合わせしていない、というが、日本の大手メディアはまわりをうかがっている。『お宅どうしますか』『うちはすぐ止めます』『それならわが社も』と決まっていくのです」とほとんどが横並びだという。

 日本の大手メディアには現場の判断がない、と綿井は言い切る。「現場の記者が、これは危険だ、国外に出たいと判断したら、会社(大手メディア)がいくら残れといっても、記者は撤退すべき。逆に、会社が『行くな』といっても、ゼッタイ取材が必要だと判断すれば、『行かせてください』と申し立て、何らかの手段で取材現場に行ったほうが良いと思う」と、現場の主体性が必要だという。【つづく】

■関連情報
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高健一【 東京都 】
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