■チベット人女流作家、オーセルさんと先ほど、チャットした。彼女はこの事件で、うちひしがれている。たんなる、おしゃべりなので、このチャットの内容は非公開。今はそっとしてあげたい。ただ、彼女は自分のブログhttp://woeser.middle-way.net/については、ぜひ多くの人にみてほしい、というので紹介しよう。これは、中国からはアクセス禁止。
■とくに「大事記」と題された今回の事件を時系列にまとめたものは、ぜひ読んでほしい。いかに今回の一連の事件が深刻、危機的なものかが分かるはずだ。この情報はオーセルさんだけでなく、チベット問題の平和解決を願う多くの人がありとあらゆるコネクション、チャネルを使って集めた情報が入っている。要は口コミである。しかし、当ブログは口コミ・ゴシップブログを標榜しているので、堂々とのせてしまう。今後の資料にもなるかもしれないので、全訳、紹介の許可をいただき、当ブログに転載する。長いので読むの大変だ、という人は太字のところだけでも。
■チベット各地で2008年3月10日以降に起きた大事記。(3月22日まで)
(以下翻訳、転載)
■3月10日
■ラサ・デプン寺で500人の僧侶が平和的なデモを行った。しかし武装警察は僧侶を殴り、催涙弾を使用し、これを阻止。数十名の僧侶が拘束された。同時に僧院は軍に包囲されたまま今に至る。水道は止められ、周辺の食堂も閉鎖し、僧侶らは生活の困窮に陥っている。
■同日、ジョカン寺の前で14人の僧侶がチベット国旗をもって抗議活動を行い、警察当局に殴打され、逮捕された。多くのチベット族市民がこの惨状を目の当たりにし、警察に暴力をやめてくれるよう哀願したが、そのため3人のチベット族市民も逮捕された。
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■アムド(青海省海南蔵自治州)貴南県魯倉寺の僧侶が平和的デモを行ったが軍、警察に解散させられた。
■3月11日
■セラ寺で600人の僧侶が平和的抗議活動(座り込み)を行ったが、武装警察が殴打し、催涙弾などを使用し、僧侶を拘束した。同時に寺院を包囲し、水を止め食堂を閉鎖し、僧侶は生活困窮に陥っている。セラ寺周辺では多くの市民が寺院に集まり、僧侶の虐待をやめるよう哀願した。
■3月12日
■デプン寺で僧侶2人が(抗議の意味で)手首を切り、セラ寺僧侶がハンガーストライキを開始した。
■ラサの多くの政府機関(単位)において、3月10日、3月11日の事件の緊急報告会が行われた。各機関の責任者は、その会議で、下部組織の幹部職員らに簡単に事件を報告した。一部責任者の報告は「デプン寺の数百名の僧侶集団がラサに向かっていこうとして、ラサ税関付近で武装警察に阻止された」というものだった。またある責任者は「その地区の寺院で若干規模の違う事件が発生した。しかし、主な事件はラサ地区に集中している」。また別の官員は「武装警察とデモ隊の衝突(肉弾戦)が発生した」と語った。
■多くの機関は事態が拡大中だと説明し、幹部・職員およびその家族に対して敏感な部分に触れることを禁止、みだりに人に話したり、疑いをもつなと強調した。一部当局機関の責任者は事態が非常に深刻なときに使う「これはチベットの長期的安定局面に対する厳粛な挑戦である」「事件は拡大傾向にある」という言葉を使った。
■3月13日
■ラサ郊外のガンデン寺(甘丹寺)の数百人の僧侶、曲桑寺150人の尼僧がラサ市中心に和平請願に赴こうとして武装警察に包囲され今に至る。ラサ3大名刹(セラ、デプン、ガンデン)は当局によって封鎖された。
■3月14日
■午前、ラサ・ラムチュ寺近くで百人の僧侶が連日のデプン、セラ寺院の鎮圧に対し、デモ・抗議活動を行っていたが、この日、警察がやって来て僧侶を殴打、チベット族市民の怒りを誘発した。この後、数万の市民が大規模抗議を行い、過激な事件も発生。当局が大量の軍隊を投入、鎮圧した。ラサは至る所に軍用車両、装甲車が配置され、催涙弾を使用、発砲などによって局地的に鎮圧、例えば嘎瑪貢桑居民区などで殺戮と拘束が行われた。
■その晩は外出禁止令が出た。これは1989年以来、最大規模のチベット族抗議活動。当局は13人死亡と発表、チベット亡命政府は100人のチベット族が撲殺されたという情報をうけている。
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■3月15日
■ラサは正規軍が投入され制御され、(デモ参加者の)全面的な捜査拘束作戦が展開された。ある情報によると600人が拘束された。ラサ市は戒厳状態で夜間外出禁止令がしかれ、軍備警戒はますます厳重になっている。当局はオフィシャルサイトで、「公告」を出し、自首期限を17日24時とした。
■ラサ周辺の県、達孜、曲水、林周、墨竹工卡などで、デモと抗議活動が発生した。
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■その夜、アムド合作市の主要寺院の僧侶は協力してデモを行い、軍・警察に包囲封鎖された。合作市東一路一帯で、民衆が抗議デモを行い軍・警察に追い散らされた。
■合作市の民族師範専門学校のチベット族学生が平和的抗議を行い、学校の党委員会と衝突した。
■四川省甘孜藏族自治州道孚県で数百人の僧侶と民衆がデモを行いビラをまき、軍・警察に解散させられた。
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■3月16日
■ラサ市内の一部地域では、依然抗議活動が発生、当局は鎮圧拘束し、少なくとも300人が拘束された。全市が厳戒状態。昼には、拘束された40人のチベット族を軍用車両2台にのせ、市民への見せしめにするためにラサ市内主要道路と二環路を回った。若いチベット族男女で両手を戒められ、頭を低く抑えつけられ、一人一人の背中を銃をもつ兵士が抑えつけていた。
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■軍、警察が県城(県庁所在地みたいな町)を包囲。18人の犠牲者に対し、格德寺で天葬が執り行われた。その他の遺体は他の教派の寺院に送られた。失踪者多数。
■アムド紅原県で数百人の軍が増員された。
■アムド朗木寺で抗議事件中、軍、警察による発砲があり、死傷者は不明。
■午後、アムド(青海省海南藏族自治州共和県)で、僧侶と民衆のデモ・抗議があり、軍、警察に解散させられた。
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■青海省果洛藏族自治州瑪卿県拉加寺で、平和的デモがあった。
■午後、四川省甘孜藏族自治州炉霍県の各寺院でデモ準備を行っていたところ、現地幹部が寺にきて取りやめるように勧告、威嚇、当局は軍、警察をこの地に増員配置した。
■午後、アムド(甘粛省甘南藏族自治州)瑪曲県で、空前の規模の抗議活動があり、瑪曲県チベット語中学生と小学校生、地もと寺院の僧侶が千人以上の県民とともに、街の通りをデモ行進した。多くの異民族商店が打ち壊しにあい、16両の自動車が焼き討ちにあい、多くの鎮当局の建物が打ち壊しにあった。当局軍警は発砲、多くの死傷者、逮捕者がでた。17日夜から、政府は厳戒行動をとり、各機関に24時間の当直制をとるよう通知、通知がなければ、職場を離れてはいけない、とした。
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■その夜、甘粛省蘭州の西北民族大学チベット語学部の500人のチベット人学生が運動場で座り込み抗議を行い、校内でラサの状況を説明したビラを貼った。ラサなどのチベット族の苦しみを訴えたものだった。座り込みは午後4時からはじまり、多くの教授、院長、チベット族教師は学生にやめるよう説得したが、17日夜も7人が座り込みをつづけている。
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■甘南合作師範専門学校、青海師範専門学校、四川省甘孜州では、阿坝県の一部チベット族学校でも抗議活動があった。
■3月17日
■ラサは軍隊に包囲され、各家をしらみつぶしに回ってデモ参加者をとらえる大捜査作戦を展開。何人が拘束されたかは不明。ラサの各道路では軍による検問が行われ、身分証明書持たないチベット族はすべて拘束された。
■ラサの堆龍徳慶県徳慶村丁果寺の12人の僧侶は当日の抗議活動中に逮捕された。そのうち名前が分かっているのは嘎瑪达瓦、格桑巴珠、阿旺英尼、阿旺塔曲和晋美。
■ラサの当県康瑪寺の8人の僧侶が逮捕された。
■午前、アムド(四川省阿坝藏族自治州)阿坝県の馬迷寺の尼僧がダライラマの写真をもって和平を叫びながらデモ行進した。
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■午前、アムド甘粛省甘南藏族自治州の碌曲県で500人の僧侶と民衆が平和デモをおこなった。
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■アムド(甘粛省果洛藏族自治州)久治県で数百人の遊牧民の抗議活動があり、商店や警察車両が、寺院の一部ラマ僧が、説得に当たって停止させた。当局は連夜、軍警を久治県に派遣し、夜間外出禁止措置を実施。
■午後7時、アムド(青海省果洛藏族自治州)久治県の門塘郷で300人規模の平和デモがあり、チベット国旗を掲げた。
■アムド(甘粛省甘南藏族自治州)卓尼県の民衆がデモを行い、卓尼藏族中学の学生が、多くの商店、レストランの窓ガラスなどを破壊、その後警察に追われて解散。そのご、40台の武装警察車両が配置されて州府への交通が遮断された。
■アムド(甘肃省甘南藏族自治州)迭部県でも暴力を伴うデモが発生。
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■四川省成都市の西南民族大学100人あまりのチベット族学生はデモおよび座り込み行った。
■アムド(四川省阿坝藏族自治州)红原県で、チベット族の抗議活動が行われ、現地のチベット族中学の学生が校門を出てデモ行進。警察と教師が阻止し、数名の学生リーダーが逮捕された。学生らは座り込み抗議をして、彼らは釈放された。ある学生は足に銃弾を受け、ある学生は刀による刺し傷をうけた。現在病院で治療中。
■四川省甘孜藏族自治州の色達県でチベット族の抗議デモがあった。
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■ラサは依然、大捜索が行われ捕まった人は何人にのぼるかわからない。主要道路の入り口には、解放軍が配置され、通行人の身分証などをチェックしている。とくに、チベット族衣装をきたチベット族に検問は集中。多くの兵士が、住民を拘束、捕まえたものを棍棒で殴る者も。催涙弾をつかって、野次馬を追い払う場面も。
■ラサ郊外雪新村では午後4時から4時半にかけて、住民3人が連行された。うち一人は50歳くらいで、衣服から幹部らしい。かれも縛られ殴られていたが、頭をたかだかとあげ、おそれた様子はなかった。もう2人は若者で、見た目からラサ市民のようだ。
■午前10時半、青海師範大学民族師範学院で200人近いチベット族学生が運動場で座り込み抗議を行った。「哀悼」をスローガンにしていた。多くの教師が説得し、午後2時半に解散。
■午前、アムド(青海省果洛藏族自治州)大塘寺で、平和抗議デモがはじまり、のちに学生、民衆が数千人参加。彼らは非暴力平和デモを行うと堅く決めていた。
■アムド(青海省果洛藏族自治州)果洛地区、扎曲卡で、大規模な民衆の抗議活動があり、多くの郷鎮政府で中国国旗がおろされ、仏教の旗幟が揚げられた。軍警の制圧をうけ、双方が衝突、あるチベット族は射殺され、死傷者の数は不明。大多数は普通の民衆。
■午後、アムド(甘粛省甘南藏族自治州)合作市で、百両以上の軍のトラックが市内に入った。甘南州府合作市の師範専門学校やチベット族中学、チベット族小学校の学生は、実家に帰らされ、授業開始日を待っている。
■アムド(甘粛省甘南藏族自治州)瑪曲県の各学校で、学生に対し、校内にいることを禁止、同時に、チベット族幹部に街の治安維持を要求し、聞かぬものは懲罰を与えると通達した。
■四川省甘孜藏族自治州甘孜県で、僧侶民衆がデモを行い、炉霍県の農牧民も参加。報道によれば少なくとも、一人が軍警に射殺され、9人が銃弾を受け、死傷者の数は不明。炉霍地区では大量のビラがまかれた。
■その夜、四川省甘孜藏族自治州色達県では、数千人の僧侶と民衆の抗議活動があり、軍、警察当局に解散させられた。
■北京の大学では少数民族の学生(つまりチベット族学生)にたいし、身上調査が行われた。質問は①ダライ・ラマのあなたの心に置いての地位は?②父母の詳細な住所、職場連絡先など③学生の身分証明書番号、④いかなるデモ、座り込み抗議に参加しないと保証するか。
■すべての外国記者にラサ、青海、甘粛、四川などのチベット族自治州、居住区に行くことを禁止。主要道路で検問を行い阻止している。ある外国人記者は車で15時間かけてさまよったが、結局、いずれのチベット族居住区にも入れなかった。最後に警察の強制撤退命令をうけ、蘭州から北京に帰った。理由はチベット族自治地域は安全ではない、というものだった。記者は「イラクより安全でないのか?」と笑ったという。
■青海省西寧の各小学校、中学ではすべてのチベット族学生に登録をもとめ、家庭状況、戸籍を調査。戸籍が西寧にないものは、現地の戸籍を提出するよう求めた。
■3月19日
■ラサでは依然、拘束された人数は不明。新華社はすでに160人が自首したと報道。
■ラサのデプン、セラ、ガンデン寺は依然、当局に封鎖されている。軍に包囲され、水、食糧が止められ、僧侶に対し「兵糧攻め」が行われている。三大寺の僧侶の直面する危機を外界に訴える!
■チベットテレビの文芸チャンネルとラサテレビのチベット語チャンネルで、ラサ市公安当局による21人分の指名手配が発表された。そのうち2人が僧侶、1人が女性。録画映像から写真を拡大して、顔が写された。ラサで逮捕されたチベット族は千人以上にのぼる。3人のチベット族は逮捕からのがれようとして、ビルから飛び降り自殺。とらえられたチベット族はほとんど、衆人環視の中、軍警用の鉄棒などでひどく殴打された。この様子を見てチベット族は同情をしめし、目を覆ったというが、多くの人は喜び「ざまあみろ」と叫んだという。街は兵士であふれ、チベット族の身分証明証、戸籍をチェック。チベット族は基本的に門を閉ざして外にでていない。街を歩く人は基本的に漢族という
■香港フェニックステレビの番組は、ラサがすでに正常な生活に回復したといしているが、これら取材がいうところのラサ市民とは、漢族であり、つまりラサはもう、漢族の都市であるということだ。
■ラサ人民検察院が24人のチベット族の逮捕状を発行。指名手配されていた21人は含まれていない。しかし、21人のうち、一人は逮捕されている。
■青海のあるチベット自治州からの情報。多くの地方の村村がすべて軍、武装警察に包囲されて、厳戒体制がしかれている。蘭州軍区の派遣した部隊という。
■青海民族学院のチベット族学生は座り込み抗議したいと、署名活動を行っている。
■アムド(甘粛省甘南蔵族自治州)瑪曲県城および各郷鎮が軍の車両に包囲され、容疑者大捜索が始まり、多くのチベット族が捕まっている。
■四川省甘孜藏族自治州色達県の500人以上のチベット族は県政府の前で抗議活動を行い、多くのチベット族が拘束された。
■アムド(四川省阿坝藏族自治州)红原県查日馬郷の40人のチベット族は抗議を行い、学校の中国国旗をおろし、ハダ(巡礼者の使うスカーフ)をチベット国旗のかわりに掲げた。
■アムド(青海省黄南藏族自治州)同仁県の噶尔孜乡和多瓦郷のチベット族がデモを行った。
by banchan
時系列:チベットとその周辺で…