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時系列:チベットとその周辺で今まで何が起きたか(つづき)

2008/03/23 00:21

 


■3月20日

 

 

■アムド(青海省黄南藏族自治州)沢庫県の在索納寺で100人以上の僧侶が数千人の民衆をひきつれて、県城で大規模な平和抗議活動を行った。スローガンは「至尊のダライラマと対話を!チベットの高度の自治の許可を!」さらに、ダライラマ、パンチェン・ラマ11世、噶瑪巴仁波切17世の写真を掲げていた。統治の公安、武装警察は厳重に監視をしていたが、それ以上の措置を執らなかった。


■アムド
(青海省平安県岩村、つまりダライ・ラマ14世の出生地Taktser)は警察によって封鎖され、チベット族および記者は入れなくなった。

■青海民族学院のチベット族学生は西校区で夜8時に座り込み抗議を開始、芸術学部、外国語学部の学生を含む。

 


■その夜10時、
CCTV-4で、「ラサ打ち壊し略奪焼き討ち暴力事件の記録」ニュース報道が、放送された。これは、民族の対立をより激しくする宣伝として、国内民衆に影響を与え、民族の仇恨を煽動する効果もあった。


■3月21日

■ラサは表面上、平静になった。しかし、各機関、部門、居民委員会では会議が開かれ、当局の講話が伝えられた。幹部、職員、居民に対し、会議では「ダライ集団の卑劣な悪行を世論でたたき、分裂主義との闘争を進行することを堅く決意しよう」と要求され、人々の発言、態度が踏み絵となった。各級のチベット族公務員、政治協商会議、仏教会の「統戦人士」たちは、つぎつぎとテレビで、激しくダライ・ラマを批判し、自分の身の安全を保とうとした。小学生、中学生さえ、テレビでダライ・ラマを譴責することをもとめられた


■青海民族学院チベット語学部の学生は東校区で午前8時から座り込み抗議を行った。

CCTVのラサ打ち壊し略奪焼き討ち暴力事件実録のフイルムは繰り返し放送され、中国民衆に大きな影響を与え、事実上、民族分裂を深める結果になった。

 
チベットテレビ局の文芸チャンネルとラサテレビのチベット語放送は、ラサ市公安局の発布する指名手配を発表、29人のチベット族が指名手配された。うち2人は僧侶(一人逮捕済み)、2人女性。ラサの人々は戦々恐々としている。中国の各ウェブサイトで、 19人の指名手配写真とラサ公安局の電話番号が公開された。


新華社報道によると、チベット自治区の関係部門の話しでは、21日までに183人が自首。死者は12人から18人に増えた。


■ラサで鎮圧任務を負った軍は、チベット族集中居住区にテントをはり、持久戦に備えている。

■一人の遼寧省大連市民が、ネットで「フリーチャイナ」と題する書き込みをした。「大連には300人のチベット学生がいる。…目下大連ではチベット学生の座り込み抗議が発生している。…私が驚いたのは、チベットよりはるか千里のかなたの中国の東北にまで、チベット族の抗議活動が広がり、この大虐殺がチベット族を団結させ、暴力への抗議活動を展開させていることだ。漢族のわれわれに、こんな勇気があるか?!ここで、私は強烈に中国共産党がチベットで侵した大きな罪を譴責し、自分がこれまでチベットの苦難を全く理解していなかったことを後悔する。勇敢にして、善良なチベット人民に崇高な敬意を表す!」

■3月22日

■アムド
(青海省海南藏族自治州)貴南県で数百の僧侶、民衆が県城で平和請願デモを行った。

■アムド
(青海省黄南藏族自治州)尖扎県で、300人のチベット族が県城で平和請願でもを行い、「ダライ・ラマ万歳、ダライ・ラマの帰還を」とスローガンを叫んだ。午前9時からはじまったが、目下民衆と当局軍、警察は衝突していない。

 

王力雄、劉暁波、張祖樺、沙葉新、于浩成、丁子霖、蒋培坤、余傑、孫文広、冉雲飛、浦志強、滕彪、廖亦武、江棋生、張先玲、徐珏、李駿、高瑜、王徳邦、趙達功、蒋亶文、劉毅、許暉、王天成、温克堅、李海、田永徳、劉荻ら30人の中国知識分子が、連名で、チベットのこの局面の処理に関する意見を表明。

■①われわれはチベット自治区の中国共産党が言うところの「ダライが袈裟を着た獣である、人面獣心の悪魔である」というような文革時代のようなセリフが、事態の平静化に何の役にも立たないと認識している。また、中国政府のイメージにも利をなさないだろう。我々は、国際社会にとけ込もうとしている中国政府のために尽力し、現代文明にふさわしい執政の風格を示すべきだと思う。


■②われわれは、ラサで暴力行為が発生したその日(3月14日)、チベット自治区責任者が「ダライ集団が組織的に念入りに策謀、策動したものだという証拠を十分もっている」と発表したが、これは当局が早くから、暴動が発生しうる状況を知っていたということであり、それを有効に阻止できず拡大したということである。この背景には汚職などが存在するのではないか、厳粛な調査処置を行うべきだ。

もし、この事件が組織的、あらかじめ計画し念入りに画策した事件であるという証明が出来ないのなら、これは一種の激情に駆られた民衆の暴動であり、ただの民衆暴動を虚偽情報をもって(ダライ集団の策動に見せかけて)中央政府と国民をだました責任者を追及すべきだ。そして教訓を反省とし、経験を総括し、今後同じ轍を踏むことのないようにすべきだ。

我々は、チベット族民衆に「踏み絵」を踏ませたり、あとで責任を問うようなことをしないように強烈に要求する。逮捕されたもの対しては公開、公正、透明な司法プロセスにのっとった審判を行い、各方面が心から敬服するような効果を得るように望む。


我々は、中国政府に信頼できる国内外メディアが自治区内に入り独立した取材報道ができるよう許可するように促す。目下のこの種のニュース封鎖は、国民と国際社会の信頼をえることがかなわず、中国の誠と信を損なうことになる。もし、政府が真相をつかんでいるなら、いろいろなあら探しをおそれる必要はない。開放的な姿勢があって、はじめて国際社会の我が国政府に対する不信感を転換させることができるのである。

我々は、中国民衆と海外華人が冷静と寛容を保ち、深くものを考えるよう呼びかける。激しい民族主義の姿は国際社会の反感を呼び、中国の国際イメージを損なうだけである


1980年代のラサにおけるチベットの動揺は、今回チベット各地に広がり、このような状況の悪化は対チベット工作における重大な過失があったからであり、関係部門は痛恨の極みと反省する必要があり、根本からこの失敗した民族政策を改変すべきである

今後、このような類似事件の発生をさけるため、政府は中国憲法に明文化してある宗教信仰の自由と言論の自由の権利を遵守し、チベット族に十分な不満と希望をのべさせ、各民族国民が自由に政府の民族政策に対する批評と提言を行えるようにすべきである。

民族の仇恨を取り除き、民族和解を実現せねばならず、民族間の分裂を拡大を継続してはならない。ひとつの国家の領土分裂を避けるには、まず、民族間の分裂をさけねばならない。ゆえに、われわれは国家指導者にダライ・ラマとの直接対話をよびかける。われわれは人民の誤解をほどき、交流を展開し、団結を実現し、政府部門はもちろん、民間組織、宗教人士すべてが、このために努力をすべきである。

カテゴリ: 世界から  > 中国・台湾    フォルダ: 指定なし   このエントリをイザ!ブックマークに追加 (0 user)

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2008/03/23 00:49

Commented by diplodocus さん

たまたま、その頁、読んでました。
http://woeser.middle-way.net/?action=show&id=403

最後のとこ、ダライラマの機関でなくて、帰還ですよ。

 
 
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2008/03/23 02:13

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