県立医大付属病院(和歌山市紀三井寺)に通常の分娩(ぶんべん)が集中し、重症の妊婦を受け入れられないことがあるため、和歌山市は、同病院内に和歌山周産期情報センターを設置した。県外在住の妊婦に対し、和歌山・海南・紀美野の3市町にある他に出産可能な医療機関を紹介、同病院が満床にならないようにする。
同病院は05年12月、県内唯一の総合周産期母子医療センターに指定された。分娩数は、05年は361件が、06年は506件と急増。07年も565件と増加傾向にある。県外からの利用者は里帰り出産のほか、大阪府南部の人も多いという。
同病院のベッド数は母親用25床、新生児用20床。母親用のうち6床は母体・胎児集中治療室、新生児用のうち9床は新生児集中治療室、8床は回復期の継続保育室で、通常分娩を受け入れる余地は少ない。ただ、県内では分娩可能な施設が96年の46施設から今年1月現在で27施設に減少するなど、妊婦側が病院を探しにくい事情もある。
周産期情報センターには認定心理士が常駐。3市町の12医療機関で、相談者の出産時期にどこが空くかなどの情報を伝える。平日午前9時~午後4時、電話(073・441・0823)で受け付ける。【辻加奈子】
毎日新聞 2008年3月22日