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【富山】

富山市民病院 新生児ICU休止へ 来月から 小児科医の退職で

2008年3月22日

 富山市民病院(富山市今泉北部町、泉良平院長)は二十一日、小児科医二人の退職で診療態勢が維持できなくなる新生児集中治療室(NICU)の四月からの休止を市議会厚生委員会で明らかにした。引き続き後任の小児科医を募集し、早期の再開を図る。

 病院のNICUは現在、十四床あり、小児科医六人、小児外科医三人、産婦人科医四人で、一日平均八人を診療。低出生体重児に人工呼吸器を装着するなどの救命治療が可能な設備を持っている。

 二〇〇七年度で退職する二人の小児科医のうち、一人はNICUの運営に詳しい新生児医療の専門医。富山大から来ているため、病院は同大に交代の医師派遣を要請したが、「時期的にかなわない」と断られた。金沢大も打診に対し「四月の派遣はできない」との回答だったという。

 残る小児科医四人のうち常勤は三人。病院は「小児科の医師は、通常の診療に加え救急の輪番日が月に七−九回と激務。三人だけに仕事を押し付けるようなら、さらに退職者が出て小児科医療が崩壊することにもなりかねない」としている。

 〇八年度から暫定的に、NICUの看護師十五人のうちの半数と保育器を産科病棟に配置。人工呼吸などが常時、必要ない新生児は引き続き受け入れ、NICU休止の影響が県内のほかの病院に波及するのを防ぐ。

 同病院でNICUでの治療が必要だった新生児は、〇七年四月から現在までで二十一人。県内のNICUは、六病院で計五十三床。県は「十四床の減少で重症新生児の治療に影響が出かねない」としており、病院間での調整を呼び掛ける。 (林啓太)

 

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