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ドイツ、対中援助交渉中止を警告
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【ベルリン=黒沢潤】チベット自治区で弾圧を続ける中国に対しドイツが地球温暖化対策の援助交渉中止を警告している。両国関係は昨秋、メルケル独首相とダライ・ラマ14世が会談したことで悪化した後、1月に正常化したばかり。
ウィチョレクツォイル独経済協力開発相は19日、チベット問題に関し「暴力での解決はあり得ない。こうした状況下で(温暖化対策の)政府間交渉は考えられない」と言明した。ドイツは昨年、二酸化炭素(CO2)排出量で世界2位の中国に対し、再生可能エネルギー事業用などとして、約6750万ユーロ(約10億円)の支援を約束した。中国政府の強硬姿勢が変わらなければ、援助が撤回される事態もあり得る。
独中関係をめぐっては昨年9月、メルケル首相が独首相としては初めて、ダライ・ラマ14世をベルリンの首相府に招き入れたため、中国が反発。シュタインマイヤー独外相が書簡による関係修復交渉を続け、1月下旬に関係正常化を確認した。
ただ、独裁政権下の旧東独育ちで、人権問題に厳しいメルケル首相は「中国は(両国の立場の)違いに寛容であるべきだ」と強調、今回の騒乱についても、ダライ・ラマ14世との「直接対話」の必要性を中国側に強く呼び掛けている。