日本銀行松江支店(松江市、吉岡伸泰支店長)が金融機関を検査した際の内部資料の一部が、インターネット上に流出していることが22日わかった。ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」の暴露ウイルスによるとみられる。流出資料には取引先の会社名や「破綻(はたん)懸念先」の記述などが含まれており、日銀は流出した経緯などを調べている。
同支店によると、流出したのは管内の島根、鳥取両県の金融機関に対する検査計画や、過去の検査成績など。ある金融機関の決算見込みに関する情報の中には、金融機関の取引先企業名を挙げて「破綻懸念先」への変更があったことを示す記述があったという。
資料には情報の機密性に応じて3区分あるが、2区分目にあたる「要注意」に該当するものもあった。日銀の取扱規定では、要注意資料は「閲覧範囲を認定した者か、その者が特に認めた者限りとすることが適当」としている。
ウィニーを通じて流出した情報は、インターネット掲示板の「2ちゃんねる」を介して閲覧ができる状態だった。さらに2ちゃんねる上には、「破綻懸念先」として小売業や建設業など三つの企業名などが記されていた。日銀は21日夜に削除を要請したが、22日午前段階も、新たな情報が流出しているという。
臼井正樹・同支店次長は「インターネット上の情報と内部情報が異なっているものも見られ、本店と連携し、事実関係を調べている。早く事実を伝えられるよう努める」と話している。【細川貴代】
毎日新聞 2008年3月22日 11時12分 (最終更新時間 3月22日 11時40分)