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【教え育てる】慶応義塾幼稚舎長・加藤三明 (1/2ページ)
■「独立自尊」はぐくむ6年間担任持ち上がり制
「担任、だあれ?」
慶応義塾幼稚舎の卒業生同士がばったり出会うと、よくこんな質問から会話が始まります。
幼稚舎教育の大きな特色に、「6年間担任持ち上がり制」があります。入学から卒業までクラス替えがなく、基本的には担任も替わりません。担任は児童一人一人の成長と発達を6年という長い目で見守り、理解していきます。つまり児童にとっては幼稚舎の6年間、担任は1人だけ。だから「キミの担任はだれ?」となるわけです。
担任にとって6年間、同じクラスを受け持つことは大変に責任の重い仕事です。一方、子供たちは、その間の共通体験によってかけがえのない友情をはぐくみ、教師との信頼関係を構築していきます。一生の友、一生の恩師を得るといってもいいでしょう。
「6年間担任が代わらないと、子供たちが接する先生が限られてしまうのでは…」という心配は確かにあります。私たちはその点を充実した「教科別専科制」で補っています。担任が受け持つ授業は国語、社会、算数、低学年の総合、体育の一部と運動時間など。1年生から音楽、造形、絵画、体育、情報、英語、総合の一部、2年生から理科が、それぞれ専門の教育を受けた教員による専科授業としてスタートします。