富山市民病院の新生児集中治療室(NICU)が四月から、医師不足のため休止するこ
とになった。現在の小児科医六人のうち二人が退職を申し出、病院側は後任医師を探して
いたが、確保できなかった。二十一日の市議会厚生常任委員会(市田龍一委員長)で泉良
平院長が報告した。
富山市民病院のNICUは二十四時間体制で診療しており、現在は六人が入院している
。今回の休止に伴い、転院を強いられる患者はいない。
病院側は、退職を申し出た医師二人の慰留に努めたが、二人の意思は変わらなかった。
さらに、富大附属病院と金大附属病院に後任医師の派遣を要請したが、「四月からの派遣
は困難」との返答を得た。
病院側は、医師二人が抜けた状態では夜間の体制が厳しくなるうえ、二人のうち一人は
新生児の専門医だったこともあり、休止することを決定した。四月以降は同病院の産婦人
科にNICUの看護士を配置したり、医療器具の一部を産婦人科に移設したりして、現在
の医療レベルをできる限り低下させないようにする。
厚生常任委で泉院長は「今のままでは病院の小児科医療が崩壊する。休止は断腸の思い
」と述べた。委員会後、泉院長は「少なくとも半年以上は後任医師の確保は無理だと思う
」との見通しを示した。今後、富山市内にある富大附属病院、県立中央病院とNICUの
集約化に向けた検討を進める必要があるとした。