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聖火はヒマラヤを越えられるか チベット・ウイグル当局警戒 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:アジア・オセアニア
中国・チベット自治区を中心とする騒乱の拡大で、北京五輪の聖火リレーが予定通り行われるかどうか、懸念が強まっている。聖火リレーは5月にエベレストに登る一方、6月にチベット自治区から青海省を抜け、新疆ウイグル自治区を通る予定で、分離独立志向が強いイスラム系ウイグル族の住む地域を通る。中国当局は今回の騒乱にかかわらず、すでに発表したルートは変更せず、五輪史上初の聖火のヒマラヤ越えを達成したい考え。騒乱参加者の摘発を進めるとともに各地に武装警察を配備し、取り締まりを強化するのは確実だ。(北京 野口東秀、川越一)
北京五輪組織委員会は19日の記者会見で、聖火リレーに対する妨害活動について、「活動はオリンピック憲章への挑戦で必ず失敗する」と断じ、チベットだけでなく、騒乱が波及した青海、甘粛、四川各省で順調に準備が進んでいると強調した。会見では、予想外の出来事や天候状況などによっては変更できるとの国際オリンピック委員会(IOC)の規定にも言及したが、実際はルートを変える可能性は低く、聖火リレーは、厳しい警備の下で実施されることになりそうだ。
党機関紙「人民日報」は、亡命チベット人組織「チベット青年会議」など独立急進派組織が一連の騒乱に関与しているとした上で、5月に予定されるチベット自治区のエベレストでの聖火リレー登頂計画を阻止しようとしたと指摘した。同紙はダライ・ラマ集団が、ウイグルの独立を掲げる組織「東トルキスタン・イスラム運動」と連携を深め、テロ活動を展開し国際社会の注意を向けさせようとした、とも伝えた。