妻が入院した。もともと，先天的に股関節に問題を抱えていたようだが，結婚当初はもちろん，約２０年間はそれとは感じさせず，元気に歩いていた。その後，少し無理をすると痛みが出るようになり，昨年初めころから悪化のスピードが速まった。この状態では近い将来外国旅行も不可能になると感じた私は、昨年の夏、妻をドイツ還暦（感激）旅行に誘った。ゆったりとした旅程を組んだつもりであったが、実際に彼地に着くと、どうしてもみたいところばかりで、あちこち足を運んだのがたたり、帰国後は、数歩歩くのも困難という（見ていても痛々しい）状況となったので，人工股関節手術を検討することになった。昨秋，医者の診断を仰ぐと，「即手術」状態だと宣告を受けるも，順番待ちで，５ヶ月先になるという。ほかに選択の余地はなく，ただ待つことになった。
今年の２月になって，どういうわけか、予定より早い入院の知らせをうけた。毎日のように痛み止めの薬をのみつつ、その頻度や量が増しつつあった状態を嘆いていた妻にとっては、願ってもないことであった。
１週間ほど，いろんな検査を経て，明日が手術という前夜，担当の医者から説明を受けた。股関節の現状や手術のやり方等についてレントゲンや図面を示しつつの懇切な説明に，親切で優しい先生だなと，好感を覚えつつ聴いていると，次に危険性について説明をします，とおっしゃる。そして，�）秧貉�故，�⊇亰譟き�手術中の骨折、この３つが大きなリスク要因で、いずれも絶対にないとはいえないと，いわれた。もちろん，あくまで万一だし，相応の準備はするので大丈夫ですが，一応承知はしてくださいと念押しされた。手術を間近に控えた家族としては，今さら，考えさせてくださいとはいえない。よろしくお願いしますと，頭を下げるだけである。以上で，インフォームド・コンセント終了。
当日は，役所を休んで待機。しかし，手術が始まってしまうと，することがない。「待機」は娘にまかせて，当方は税金の申告等に出かける。敵前逃亡のようだが，実は，あの「待つ」状態がいやなのだ。以前，子宮筋腫の手術で，手術室に向かった妻を見送って，病室で待機したことがある。予定の２，３時間をすぎても，看護婦等から何の連絡もない。５時間以上経過したあと，無事終了しましたよと，看護婦から告げられ，大手術だったのですかと尋ねると，「いえ，そうではありません。前の手術が長引いて開始が２時間遅れただけです。」とごく当たり前のような返事。「それならそれでどうして言ってくないの」と口まで出かかったが，手術が無事すんだことの安心感から，怒る気力が失せていた。
そういうことで，病室での待機を回避して，用事にかまけたわけだが，手術は予定を少し超過したものの，無事終了。さすがに安堵した。
ところが，麻酔の薬があわなかったのか，同日夜から，すべての飲食物を拒否し，胃液まで出るという嘔吐の連続。あたりに人声や人のいる雰囲気自体が気に触るのか，看護師さん以外は入室禁止。私も近寄り難い状況で，接近禁止命令をうけたＤＶ加害者同然の有様で退散した。翌々日の朝，娘の「おかゆさん」でなんとか食欲が回復し，顔色にも生気が戻る。本来なら，血栓発症に伴う塞栓事故の予防のための歩行をすぐに始めなければならないのだが，上記の状況で１日目は取りやめていた。しかしその日から，医師の強い励ましと，本人のやる気で，歩行練習とリハビリが開始され，ひと安心。
あとは，順調な回復を待つばかりと思っていたが，物事は必ずしも単純に進まない。私はあとで知ったのだが，術後縫合していたところの端が、うまくひっつかず、再度の縫合が必要となる事態となった。ひと針分だけなので、かなり痛い麻酔の注射をうつのとは変わらないということから、麻酔なしでの縫合をした模様。これを聴いて，痛がりの私の方が，がたがた震えた。
妻の回復をめざす意欲は強く，その後，熱心に歩行（練習）に励んだ結果，当初の予定通り，手術後約３週間で，無事退院した。自宅復帰後，病院での節制生活の成果がでて，妻の体重は減少。一方，メタボ進行中の私の体重は，水泳に精を出すも，妻の留守をいいことに相当量の酒量を確保した生活を続けたので，やや増加。そのため、信じがたいことに、結婚以来はじめて、私の体重が妻の体重を上回ったのだ。妻にとって，減量は好ましいことなので，喜ばしいが，実は、ずっと以前に、妻との間で，「体重が逆転すれば，相当額の金員を贈与する。」との約束をしていたことを思い出した。絶対あり得ないとたかをくくっていたので、かなり高値に設定したはずだ。
ひと息ついた今、この贈与約束を実行するかどうか，思案中だ。 （風船）
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あなたの妻を救ったのは医療従事者であってあなたは全くの無力です。感謝の言葉が出てくるのは人として当然だと思うのですが・・・
今の世の中は違うのでしょうか？
ものすごく疑問に思いました。
3番目の「一般人」さんのコメントで、はっきりと分かりました。
そう言えばここ数年、患者さんから「感謝」という物無く、殺伐と医療行為を「仕事」としてこなしていた事に気づきました。
本当に（相手側に）感謝の気持ちが無かったのか、あるいはあったんだけど、それすら感じられない精神状態に私自身が陥っていたのか（多分後者でしょうね）
こういう心のない裁判官に、今の医療が目茶苦茶にされていたのかと改めて実感しました。
加えて、そのあおりで、3番目の一般人さんのような方にも、ご迷惑をおかけしているかもしれない事に、申し訳ない気持ちになりました。
以前、医療裁判に詳しい弁護士さんの講演を聴く機会があり、「上記のような副作用についても、投薬前に患者・家族に説明するべきですか？」と質問しました。「もちろん、事故が起これば説明義務違反を問われるので、必ず説明しておいてください」とのお返事でした。
その後、錯乱状態の患者を前にして、家族に「この興奮を抑えるための薬はありますが、投薬の希な副作用で命に危険が及ぶことがあります」と説明しています。殆どの家族は投薬しないで下さい、となり、結局ガチガチに身体拘束をするはめになっています。
ただ、そのような副作用は希なので、もし、我が家族がそのような状態になれば、迷わず私は投薬しますが。
数年前まではあいまいな説明のまま、何とか無事に投薬して切り抜けてきましたが、昨今の医療裁判事情を鑑みると仕方がないのでしょうね。
困ったことです。
ましてや感謝など、そんな感情が起こるはずも無い
さすが日本を背負って立つ法曹界の方ですね
頼もしい限りで〜す
で、判事様は医死にどうしろと？
ま、そんなことを尋ねても、自分の判決に責任を持たなくていい判事様ですから、こんなブログごときにおける発言になんて責任なんて持つ筈もないでしょうから、無駄でしょうね。
万一の合併症に対して万全の体制で手術に臨んでも、家族からこう思われてると思ったら、やってられないでしょうね。
家族や当人の不安を煽らないと有罪！って言い続けたのは、誰でもない、司法なんじゃないの？？
訴えるために病院に来る人を見なければならない
医療関係者って大変ですね。
NHKでやってましたが、モンスターペイシェント寸前
ですよね。
えへへさんが、医療関係者なのか一般の方なのかよく分かりませんが（トンデモ判決という言葉を使われているところを見ると、前者のような気がしますが）良い一言ですね。
建前：正義の名の下に、悪き石に正義の鉄槌！
本音：自分の鬱憤晴らしのために、医療法崩壊するぞ！
こんな裁判官ばかりではないことを切に望みますが、既に医療現場は心ない司法のうっぷん晴らしのために、医療界は全治20年越の重傷を負いました。
司法関連者の頭の中って「心＜金」なんですね。
怒り心頭で、これ以上書くとアラシになってしまいそうなので、これで何とか自重しますが。
利点、欠点も含めて前もって説明を受けた上で、手術の予定を入れるとベターな気がしますね。
もちろん、そうした場合でも、説明の内容を忘れてしまうことがほとんどです。また、手術の承諾をする前の説明はご本人だけにすることが多く、ご家族への説明は手術直前に行うようにしないと、手術の前に何回も説明することになり、手間がかかりすぎます。
せっかく手術を受けて、経過もまあまあ良かったのに、お互いに不快感が残るのではもったいないことです。時間的にゆとりがあれば、何回でも説明したいと思うものですが、問題は、そんな時間的ゆとりが現在の病院、医師にはないことでしょうね。
医者の数は少なすぎる。そして、その少なすぎる数を基準に制度設計されているため、現場が悲鳴を上げているのが現在の医療崩壊であると思います。司法界の方にも、ぜひご理解いただきたいと思います。
全てが順風満帆に進むことのほうが困難な医療においても、１００点満点をとらないと許さないというお考えにです。
それと、医者・看護婦という単語を、社会的地位のある方が、「あえて」お使いになる場合は、確固たる悪意をもっての表現とわれわれは考えます。
家族としては、と書いておられますけれどーー。家族は承諾できない、本人は手術希望となったら、本人の選択のようにも思いますけれど。でも家族間で意見が分かれる可能性があったり、前の説明の内容をさらに何度も確認する必要があるならば、最初から一緒に来ていて欲しいと感じるのは、わがままなんですかね？
今みたいな情勢でしたら手術をしないという選択を患者さん側で、きちんとなさって頂ければ、とってもうれしいです。リスクを負わない患者さんは、本当に困ります。
このブログのどこにひっかかって皆食いついているのかわかりませんが、手術になって不安に思うのは当たり前だし、いろいろ思うところがあるのも当然です。最近は医療に対しておかしな報道や判例が増えていますが、この件に関しては過剰反応ではないでしょうか。
幅広い視野に立った大きな仕事をしていただくことを期待します。
確かにおっしゃるとおりなのですが、いくら事前に説明しようが何しようが、家族がそれを忘れてしまい、「説明不十分だ！」と裁判所で言えば、それが通ってしまうんですよね。
まったく、冤罪製造器か！といいたくなっちゃいます（苦笑）
>このブログのどこにひっかかって皆食いついているのかわかりませんが
今の司法に対して、不満を持っている医療関係者はたくさんいるのは通りすがりの医師さんもご存じですよね？その司法関係者が、実は自分の家族を治療しても、感謝の一つもしていなかったことが分かった部分ではないでしょうか？
かなり大袈裟ですが、最前線で頑張る医師というのは、金や名誉や地位はいらない。ただただ、患者さんからの「ありがとうございます」と感謝されるということを優先している人が多いです（でなければ、誰があんな労働基準法違反な上に、最低賃金も遙かに割っているような給料で丸1ヶ月休み無しも当たり前なんて環境で働き続けるでしょうか。
そんな気持ちが、人の上に立って、より人間らしくあるべきである裁判官が持っていなかった、と言う部分に怒りがあるのだと思います。
コメント数をみれば解るとおり、少なくとも数百人以上の医師が
貴殿の文章を読んでいます。
醜い悪意と憎しみのこもったこの文章は、その何十倍もの
不信感と怒りを医療従事者に与えたことでしょう。
もし貴殿が一片の良心か、医療に対する感謝の気持ちがあるのなら、
文章の内容に対する釈明、または謝罪文でもお書きになったらいかがですか？
これまでのとんでもない医療裁判の判決内容に対し、医療従事者の司法に対する
不信感・怒りは極めて強く、更にそれは今日の医療崩壊の原因のひとつとなっています。
貴殿は確実にその一翼を担っているのですよ。
>手術を間近に控えた家族としては，今さら，考えさせてくださいとはいえない。よろしくお願いしますと，頭を下げるだけである。
とエントリーで書き、インフォームドコンセントを受けての手術承諾書を書くことに関し、私が医師に対し不快な感情を持った表現をしたが、これは本来お門違いな感情であった。
そもそも医療は「不確実性」伴う行為であり、「絶対」はありえない。日本における手術説明は、一般に諸外国に比して極めて丁寧であり、例えば米国などでは、数十〜数百ページの説明書を渡され、サインを求められるだけである。
人間の体は、車や家電製品とは違い、手術は簡単な部品交換や修繕ではない。
手術前に3ヶ月程度の時間の余裕があった以上、素人ではあるが、医療に対し多少の勉強が必要であった。
とでも、釈明すべきでしょうね。
裁判官を務める優秀な頭脳をお持ちでありながら、インターネットや本が読めないとは言いませんよね。
インフォームドコンセントが直前で良かったですね．
考える時間があると，手術ではなく，一生苦痛を背負い込む苦しい人生を選択するところだったかもしれません．
最近のインフォームドコンセントは，判例を参考にし，『人間は必ず死ぬものです．そのことは，はっきりとご認識ください．』と口頭で申し上げることから始めています．
現在，用紙の最初に『人間は必ず死ぬものであり，医療機関内であっても，人の生死をコントロールしているのは医療者ではなく神である．』の一文を入れることを提案しています．
それと，可能性があれば保険の適応がなくても説明すべきらしいので『アメリカでは技術が整った時点で治療を受けるべく，人体を凍結冷凍保存している人たちもいる』も入れておかねばなりません．
ブログのテーマと違うから書いてないだけで、おそらく風船さんも奥様も現実には医療従事者の方々に感謝の言葉を述べて退院されてるはずです。
医療現場の大変さは理解してますが、被害意識過剰の八つ当たりはかえって専門家のおごりに見えます。
医療訴訟は病院側にも弁護士がついて十分主張立証の機会が与えられるのだから、裁判官が悪いとは一概には言えないでしょう。
現在は民間の会社で勤務しておりますが、大学では法律の勉強をしていましたので、いつも裁判の記事はとても気になっています。
「説明義務違反」という言葉が頻繁に使用され、医師は医療行為に問題がなくても、「説明義務違反」で損害賠償を巻き上げられる時代です。当然、自己・組織（病院）への防衛反応として、全てを説明するようになり、特に副作用（悪い結果）への説明には力が入ります。患者にとってどの方針がベストかという説明からは外れ、ひたすら副作用・合併症の説明、特に最悪の事態を想定したことを延々と説明しなければならなくなったのは、日本の裁判官の心無い、もしくは医療を理解しない裁判が原因かと個人的には思っています。
本来の医療とは、かけ離れていく医師の仕事。救急対応での理解不能な判例。それが生んだ患者のたらい回し。
こういった社会の流れは、医師からは全く理解されない判例を行う裁判官及び、道徳心をなくした患者が生み出したものではないでしょうか？
あまりにも患者サイドに偏った判例が続くことにより、心ある医師であっても自分や家族を守るために消極的になるのは当然ではないでしょうか？
また、裁判官という立場の人は、一般人からすれば人を裁く神のような存在。しかし、このブログを見る限り、精神的には一般人よりも低俗に感じざるをえません。他人に感謝する心が薄れている、現代の日本人の象徴をあなたに感じました。
マスコミは、裁判所の判例には異議を唱えません。しかし、いつかは低脳な日本のマスコミ組織も気付くでしょう（今も気付いているかもしれません）。
立派な立場であるあなたへ、あえて失礼を承知で私の意見を述べさせていただきました。
あえていうならこの一文がひっかかるかもしれませんが、他の何がそれほど医師の神経を逆撫でしたのか。全然非医師でない自分にはわからない。別に医師を叩くような文章には見えないし、前述したとおりあえていうなら最初のこの一文。これはまあ裁判官がいうことではないとは思うんですが。
特に感謝してないわけじゃないとも思われないんですが。「医師の強い励まし」とか感謝の気持ちがないと書けない一文に感じるけどなあ。
最近の医師の被害者意識も、方向性が何かずれてんじゃあないか？というのが増えてきたと感じます。
色々書いた人に聞きたい。このブログの何が問題でそこまで切れたのですか？
インフォームドコンセントはそんなもんじゃない、というのと術中は待機していろという二点はわかりますが。手術に時間かかりすぎるのに説明しないのは医師の怠慢でしょ。あと何が足りないのか？
一部の変わり者の医師だけでなく、大勢の医師が反応している、というところが、この問題の根深さを示していると思います。
>手術に時間かかりすぎるのに説明しないのは医師の怠慢でしょ。
そういえば、病院で待ち時間が長いのも医師の怠慢だと言う意見もよく聞きます。
病院とは、医師、看護師、技師だけでなく、受付、事務、その他多種の職種からなる組織です。医師の仕事は手術であれば執刀すること、外来であれば診察することです。時間の説明は事務職の仕事です。全てを医師の責任にしないでください。
レストランで食事するときの事を想像してみてください。どんな苦情もすべてシェフが対応されますか？
>手術を間近に控えた家族としては，今さら，考えさせてくださいとはいえない。
に対して、説明をしなければならないのは、患者さん本人だけではいけないのか？家族にも必要ならその範囲は？
間近ではなくて、いつ頃までが法的に好ましいのか？直前に「考えさせて下さい」と言えなかった理由が何か？
個人的には考えさせてほしければ、手術を受ける事を止めれば良いのにと思います。手術はリスクがあるのでーーー。考えさせて下さいといえずに、リスクを引き受けるのにも抵抗感があるのなら、手続きとしてはあまり良くないのではないかしら？
医療者側は、出来れば生命保険の契約書のような分厚いものを元々学会レベルで用意しておいて、例えば一律に１週間前に渡し、患者さん個人による違いは渡す前に書き入れて、手術２日前には提出して貰うと言うのが、現実的で良いような気がします。分からない部分を説明できる人が必要そうですが。
公務員医師さん、「何に反応してるのか」の答えに全然なってません（苦笑）何人反応してるのかなんて聞いてませんが。
>手術に時間かかりすぎるのに説明しないのは医師の怠慢でしょ。
これは確かに誤解があるようなので「病院の責任」に訂正しますが。しかし普通に考えれば2時間手術が長引けば心配はするでしょう。延びますよ、と病院が患者に説明することもできない診療体制をとる現体制を批判しろ、というお叱りは受け止めます。
しかしくどいですが何に反応してんですか？その答えが知りたい。
感謝しないから怒ってるのですか？（感謝してないように見えないんだけど）インフォームドコンセントの概念をわかってないから怒ってるのですか？（これはわからないでもない）
通りすがりの石ですが、私の感想を書きましょう。
まず、前提として、医療はただのサービス業ではありません。社会インフラです。
通常のサービス業として考えるならば、アメリカ並みの経済負担を必要とします。対ＧＤＰ比15％。メチャ高です。
その上で読むと、文章中の文面は十分な報酬を払った上での一般サービス業のサービスを受ける「お客様」のようである点が医療従事者の不快を買っているものと思います。
たとえば、
>「いえ，そうではありません。前の手術が長引いて開始が２時間遅れただけです。」とごく当たり前のような返事。「それならそれでどうして言ってくないの」と口まで出かかったが，手術が無事すんだことの安心感から，怒る気力が失せていた。
説明が無かったのは、病院体制の悪さ？医者の怠慢？サービス業としての自覚が足りない？
どれでもありません。人も金も余裕が無いのですよ。
もともと医療従事者の犠牲で成立っていた医療体制に対し、恩を仇で返すがごとく、医療費を削り、酷い判決で厳しい勤務体制の診療科の医師を痛めつけたのですから。
現場では、患者家族に手術途中で説明を行える医師・看護師などいないし、伝令役も居ません。そんな人を雇える経済的余裕も人的資源もありません。
殆どの公立病院が赤字で人不足の中、誰に向かってサービスの向上を訴えたいのですか？
と言いたいのですよ。
この説明が解らない、解ろうとしないのも結構です。
もう、医療崩壊はどうにもならない所まできているし、国民の殆どが困窮することになるでしょうね。
せいぜい責任を病院や医師の責任に押し付けるのが司法や国民の発想ですからね。
一般的に「医者」という呼称は「あの医者が、、、」のように医師への印象があまりよくない場合に使われます。「医師」という呼称になれば、よくも悪くもない事務的な感じ。お医者様なんていう呼称がされる時代ではありませんが、わずかでも感謝の気持ちを持っている患者さんや御家族は「〜先生」とか「お医者さん」というような呼称を自然に使います。
看護師に関しても、この方不愉快な思いをしていた時には「看護婦」と切り捨てていますが、そうでもない時は「看護師さん」に変わっていますよね。
裁判に関わる人にしても自分側の弁護士であれば「弁護士の先生」というでしょうけれど、相手側の弁護士は「弁護士」と言うのと同じだと思います。
この方の文章からは医師に対しての感謝の意は全くないように思われます。全て問題なく事が進むのが当然のことと考えておられるのでしょう。
人を裁く裁判官らしい考え方だと思いました。
忌憚なきご意見ありがとうございました。
裁判官と称する人についてのインフォームドコンセントに対する意識の甘さについて怒るのはわかるとしても、あとの医師と称する人の書き込みの切れぶりは行き過ぎてるとしか思えません。というとまた医師の苦労もしらないでとか書かれるんでしょうけど。
裁判官に自分の意見を伝えるにしてももうちょっと書き方がないもんなのか？これが医師の知的レベルなのか？コミュニケーション能力なのか？と思います
チキンハートをドキドキさせながら時間に追われて一生懸命働いたあげく、「いつまで待たせるんだ？」とか、「怠慢だ」とかいうクレームさえなく、平穏無事に一日が終わって、ご飯が食べられて少しだけ余暇を楽しむくらいの給料がもらえればそれでいいんです。
＞そう言えばここ数年、患者さんから「感謝」という物無く、殺伐と医療行為を「仕事」としてこなしていた事に気づきました。
＞ましてや感謝など、そんな感情が起こるはずも無い
＞感謝の気持ちもなく、配偶者と「贈与約束」ですか
＞ぜひ感謝されたい、とまではいいません。ただ悲しいです
＞実は自分の家族を治療しても、感謝の一つもしていなかったことが分かった部分ではないでしょうか？
＞他人に感謝する心が薄れている、現代の日本人の象徴をあなたに感じました。
＞この方の文章からは医師に対しての感謝の意は全くないように思われます
minocchi氏はそうではないようですが、ちょっと流しただけでもこれだけの医師が感謝しろしろといってますが。
自分から見れば医師本人にその場で感謝しても、ここでいちいち医師に感謝しろなんて書く必要などぜんぜん感じないんですけどねえ…
ところで
＞醜い悪意と憎しみのこもったこの文章は
とまで書いてる人もいますが。この記事のどこにそこまでネガティブな悪感情を感じさせる文があるのでしょうか。どこに感謝を感じさせなかった文があるのかなあ。いやな医師に「強い励ましをもらって」とか普通書かないと思うんですけど
裁判官が嫌いな医師が多いのは当然で、裁判官が書いたこういう内容のブログは炎上しても仕方ないでしょう。
そうであっても、当プログを批判することに違和感を覚えます。医師・看護師の対応にではなく、説明も含めたシステムの改善点を指摘しているだけのように感じますが、皆さんいかがでしょうか。
敵・味方ではなく、建設的に、性善説的に進みませんか。
温かい家庭の裁判官が書いたこのプログを読んで、今に感謝しています。
>ないと気がすまない、ということですか？ブログで？
極論ですが、何故日本はこんな安い医療費で国民全員が何処でも医療を受けられるという環境があるのだと思いますか？
（国民負担も超低レベル・医療費の対GDP比も、先進国平均10〜11％に対して、日本は7％台）
基本的に、医師（もっと言うなら、臨床の最前線の医師）というのは、お人好しがおおいのです。これは医師のみならず、看護婦、薬剤師、医療従事者等、殆どの医療関係者に共通することです。
だから、患者さんからの「ありがとうございました」の一言で、お人好しでお調子者の医師は「よし！またやろう！」と思って、国民最低賃金以下の時給、サービス残業の山、休みは年に数日という状況でも働けてこれました。
（同じ忙しい対照であろうと思う）IT関連業者の方々と違うのは、医師がその労働を自らそれを買って出ている（厳密には・いた）のです。
今から10年以上前に（今、アメリカ大統領選で注目している）サッチャー女史が、アメリカの医療費抑制の参考として、低医療費で高医療が実現できている日本に視察に来たことがありますが「Doctor, Nurseが、驚くほど献身的に働いている。とてもあの制度は、アメリカでは導入できない」と言って、諦めて帰って行ったのは、我々の世界では有名な話です。
その結果が、とても安い医療費で最高の医療を提供できる温床になっているからです。
感謝したくないのなら結構です。そのかわり、そうなればもう献身的に働く医師はいなくなり、医療現場は崩壊するか、更に医療費が増大して、ゆくゆくは消費税・所得税の大幅UPに繋がるでしょう。
それが民意だというのなら、我々はその民意に従って、それ相応の医療を供給するに過ぎません。
感謝の気持ちが無くなって、医療の代償を「感謝」ではなく「裁判」で返すようになった日本医療の今後、だいたい考えられるのは次の３パターンです。
１）みんな最前線から逃げ出し、救急患者になったら、もう諦めてくださいと言う世界。
２）消費税20％、所得税も大幅UP。
３）国民皆保険が崩壊し、全てが民間医療となる。貧乏人は医療が受けられなくなる（正に、今のアメリカ型医療
感謝しないというのならそれで結構です。では、１）〜３）のうち、どれを選択しますか？
これはこれでいい機会なので、このブログ主の先生に理想的なインフォームドコンセント（もちろん法的にも問題の生じない、実現可能な）を例示していだたいではいかがでしょう？
どうすれば患者様に悪感情を持たせずに、説明義務を果たせるのか。大変勉強になると思います。是非、お願いしたいと思います。
>手術を間近に控えた家族としては，今さら，考えさせてくださいとはいえない。
その不満の内容が、医療者の側からみれば、「一生懸命やっているのにこれ以上どうしろというのだ」という類のものです。
患者側から見ればそんなことは知ったことではなく、不満は不満なんだということなのかもしれませんが。
その不満をぶつける矛先が医師や看護師個人だというのは見当違いではないかということです。
それが裏を返せば感謝がないとここの人達が言っているのです。だれも感謝の気持ちを書いて欲しいとかそんな幼稚な要求をしているわけではないと思いますよ。
書いている間に他の方が投稿されたのでずれちゃった。３つ上の石です。
法的に問題生じない、っていったら、
・説明している時は、全て録音。嫌だな。取調室みたいで（苦笑）
・更に「どんな手術でも、一定の確率で死にます」「どんな薬も、一定の確率で副作用で死にます」って言わないと行けないのでしょうかねぇ。
最近、処方の時に手渡される薬の説明紙に「この薬の致死率：０．０００？？１％」とか。
あ〜〜、嫌だ嫌だ。
と、こんな程度の後ろ向きな対策しか思いつきません ^^;)
でも、そうすると、このBlog主の裁判官は「不安を煽る」とか言いまくるんだろうなぁ、、、
どうすりゃいいんでしょ（苦笑）
だーかーらー。誰がそんなことをそもそもここで言ったり書いたりしたのか、それが知りたいといってるんですが。医療を受けたら、その場でその医師に感謝の意を述べるだけではなく、そのネタをどこかで振る時にいちいち感謝感謝って言わないと医師には感謝の意が通じないということですか？そもそもこの裁判官の人の書き込みのどこに「先生に感謝していない」と感じるのかがわかんないんだけど、ってことなんですけど！
感謝の意をどう表明すればここの一部の医師は納得すんですかね。インフォームドコンセントの概念は納得いかないというかまあ患者として自立しきれていないというのは感じるのでそれを指摘するのはわかりますが、それと医師への感謝とは別問題でしょう？
感謝感謝という人は、いったい誰と戦ってるんですか？
私は今の病院では術前の説明は外来で行うようにしています。
それも今の病院が外来に余裕があるからできるのですが。
書いてるうちにずれたのですが。医師の人にはこの書き込みってそう見えるんですかねえ…？別にそんなこと言ってるようには全然見えないんですけど。薬があわなかった、とただ言うともうそれは不満に感じられるんですか？
どこだかは申し上げませんが、かなり大規模な医師限定コミュニティーサイトで、既にこのブログが話題に上がっております。だから、かなり多くの医師が見ていると思います。
>そのネタをどこかで振る時にいちいち感謝感謝って言わないと医師には
>感謝の意が通じないということですか？
ブログですよ？しかもオープンの。当然、多くの医師の目にとまります。そして、この内容では「なんだ、裁判官ってヤツも、心の中じゃ医師を辱っているんだな」と思われても致し方のない内容です。
そういうことは、ClosedなブログやSNSでやるか、井戸端会議でやってください。
オープンのブログで情報を発信するって、それくらい重い者だと思いますけど？
具体的にどこがですか？
なるべく患者さんにとって為になる医療がしたい、自分たちも喜びを感じられ、患者さんも満足する医療がしたい、と多分医療人でしたら願わない人はあまりいない。でも全力を尽くしたつもりでも、その時には良いと思ってした判断でも、ひょっとしたら人を傷つけてしまうかも知れないし、その結果自分が努力してきたすべてを失う結果となってしまうかもしれない。どこまでどのように努力すれば、患者さんから糾弾されないで、自分のキャリアを終えられるのか分からない。
術前の説明も分かることはすべて説明したつもり、知っていることはすべてお話したつもり、少なくとも現状の医療レベルの知識と技術は得たつもり、でも私は明日の手術でもし何かあれば、それは自分自身を破滅させてしまう
（裁判に巻き込まれてしまうだけでも大変なのに、これで誠心誠意尽くした努力もテニスボールが思わぬ方向にやってきたのと同じように、思わぬ出来事があって、間違った方向に打ち返してしまったら、それで私のキャリアは終わり。出来たら判断するのに、時間があれば良いのだけれどーーー。直ぐに出血が止まってくれれば良いのだけれど。必要な時間と応援が自分にあれば良いのだけれど。）
知っていることはすべて話したつもりだけれど、実は予測出来ないことも一杯ある。
１％のリスクってお話しして、患者さんは１％のリスクって自分には当たらないとなぜか思っている。でも１年５００人手術をしていれば、５人はその落とし穴に落ちる。その５人に明日の患者さんが入らなければ良いけれど、でもどこかで５人は発生する。万一って１００００人に一人、つまり１日１００人患者さんを見ていれば、１００日に１回起こる事。一人の医師あたり年に３回。この統計って患者さんは分かっているのかしら？万一って、普通に起こることだって分かっているのかしら？
手術をしなければ、手術事故は起こらない。飛行機にのらなければ飛行機事故で死ぬことはない。リスクの本当の意味を知っているのかしら？長く健康で生きてこられた幸運を、本当に知っているのかしら？
手術の前夜に危険性の告知を受けたのでは今さら断れないとか、手術の開始が２時間も遅れたら説明してほしいというのは、ごく常識的な不満、要望だと思いますが、この程度の不満を言っても侮辱なのでしょうか？
一般向けのブログで書くときに「お医者様」とか「先生」って書かないと感謝の念がないから不愉快？？ 「弁護士」とか「建築士」とかごく普通に書くと思いますが。
病院の受付には「患者様の権利」なんて掲示してありますが、やはり本音は患者は医者に感謝しろということなのかと思ってしまいますね。
ブログの本人にお聞きいたします。
ではどうすればよいと思いますか。私のところでは数人の脳神経外科で約２５万人（地方です、他にいくところはないです）医療域をカバーしています。きめ細かい説明をしたいのはどの医師も同じです（ましてこんな訴訟の時代です）。時間がないのです。私どもの扱う疾患は、9割が急性期です（その1/3程度が手術となっています）。ブログ本人がおっしゃられたように、患者にとってこのような状況で手術を勧められたら、お願いしますとしかいいようがない。わかります。実は医師も同じ状況なのです。
地方において、「私は診たくない」は通用しません。我々もやるしかないのです。現在の私の勤務状況は明らかに労働基準法違反、連続40時間勤務も普通です。しかし5時１５分に帰る事務員のほうが給料が良いのです。どなたかがおっしゃいましたが、医師のほとんどはお人よしです。
その原動力は何だと思いますか。
その原動力が今、現場から失われていったのです。
この単なるブログ一つに、何故これほどのコメントがつくのかわからない、といわれるのであれば一度でいい。私と救急外来をしてください。
一般の方がこのようなコメントをするのはわかります。でもあなたは裁判官です。
ぜひ建設的な意見を。
もう黙っているのはやめてください。
＞今、この日本では医学や医療制度の知識に乏しい裁判官たちが医師を裁いている。
と嘆いている方がいますが、医療裁判だけじゃないですよ。すべての裁判が事件当事者にとっては専門性のあるものばかりです。裁判官はあらゆる事件について専門知識がないと裁判できないというんじゃ、司法制度は成り立たないですね。
当事者がいかにわかりやすく論点を裁判所に提示して説得するか、そのために弁護士がいるわけです。
患者を含め素人にわかりやすく説明できないのを、医学知識に乏しいと非難するのはナンセンスですね。
ですから、感謝なんかしなくてイイですし、もしあなたがこのコメントを読んでシブシブ感謝するんだったら、そんな感謝はいりません。
では、そうなった時、今の医療はどうなるのがよいと思いますか？
少し前に（恐らく医師の方が）書かれたコメントの中に三択がありましたよね。
１）みんな最前線から逃げ出し、救急患者になったら、もう諦めてくださいと言う世界。
２）消費税20％、所得税も大幅UP。
３）国民皆保険が崩壊し、全てが民間医療となる。貧乏人は医療が受けられなくなる（正に、今のアメリカ型医療
どのような未来像が良いと思いますか。それとも、門外漢の視点から、４）以降の解答があるというのでしたらご教授ください。
医師を非難されてる方が何人かいらっしゃるようですが、では、今の日本の医療体制が崩壊した時（感謝が無くなれば、確実に医療は崩壊します）どのような未来像が良いとお考えでしょうか？
＞ではどうすればよいと思いますか
別にどうしろともこの記事内ではいってないと思われますが。特に医療に激しい不満を訴えてる記事でもなし。単にこうなってこうきてこう治療が終わったというだけの記事でしょう。
たまたま通りすがりさん
＞「感謝」は、強制されてするものではないけれど、医師は「感謝」さえして貰えば、どんな苦労も厭わない人種なんでしょう。「感謝」は医師には麻薬なんです。
この記事は裁判官が医師に感謝してないという記事でしょうか？意見そのものは「そうですか」なのですが、この記事につけるのにふさわしいコメントでしょうか？
熱くなってる人は一度落ち着いてこの記事ちゃんと読んでみたらどうですか？
>ないから不愉快？？ 「弁護士」とか「建築士」とかごく普通に書くと思いますが。
Doctorの日本語正式名称は「医師」です。「医者」という言い方には、侮辱の意味が込められています。
あと、ちょっと面白いコメントがあったので追記しておきます。
「やぶ医者」は放送禁止用語ですが、その代替用語が「医者」なのだそうです。つまりもともと「医者」という単語には「能力の劣った医師」っていう意味合いがあるんですね。
「医者」って書かれて、なんか不愉快な気分になる気持ちが分かったような気がします。
受験生の父さん
一般の方からこういうコメントを頂けるのは本当に嬉しいです。ありがとうございます。
でも、やっぱり自分にとっての一番の幸福は、早く医療現場から逃げだし、医師を廃業することだと思っていて、さらに同じように思っている医師が一杯いるのも知っています。何をすれば犯罪者にならないのか、自分たちには分からないからーー。どうしたら、不法行為をなさずにキャリアを終われるか分からないからーー。限界まで頑張っても、いずれやっぱり落とし穴に落ちちゃうと、確率的には予測されるから。
そうしてみんな逃げ出してしまったら、私たちの子供たちの受けられる医療はどうなっているのか？
高い基準の医療を、医療費抑制政策のなかで実現するのは不可能だってみんな知っているのに、それでも国民の総意は、医療費削減。削減すると言うことは、医療サービスがさらに低下することを意味するのに、反対にコストのかかる落ち度がない高い水準の医療を求めるという矛盾は知っているのかしら？
本当に非医療者の人は、これで良いのかしら？
門外漢氏は、今後医師に経済原理にのっとった一般弁護士並みのサービス業として医療を運営して欲しいのですね？
それは、病院で世界標準の医療費を払うと言う事でよろしいのですね？
アメリカの医療費は国民総所得の15％。日本の経済規模になおせば90兆円。国家予算を上回ります。現状の約3倍。
今の制度を維持するなら保険も医療関係の税金も自己負担もすべて3倍。
当然払えない人が続出して、国民皆保険は破綻。アメリカ同様のサービスを受けるには3倍の負担では足りません。
もっとも、心配せずともそのうちに嫌でも、あなたが欲するこのような制度になって、3倍以上払う事に（もしくは医療が受けられなく)なりますよ。
国民のモラルの崩壊で、医師や看護師の犠牲的聖職者意識も崩壊しましたから。
これは過去形の話であって、もとには戻りませんよ（笑）
ここには感謝しないとは書いてないのに、感謝してないしてなーい！と大騒ぎしている人がいる。
で、インフォームドコンセントについてと、二時間説明がなかったことについての不満については医師他が多忙だから無理というのもひとつの意見として、この不満とこれに対する医師の意見は一応かみあってます。
しかし感謝してるしてないという議論になると…話す場所間違えてません？としか思えない。医師と書かず医者と書くのは侮蔑だというのがあえていうならひとつの回答ですが、それだけですか？
「醜い悪意と憎しみのこもったこの文章」とまで書いてる人がいるけどどの一文がそれなんだろう？
通訳してしまったのは、あまりにも駄々っ子みたいに喜んで貰いたい、ありがとうと言って貰いたい、とあちらこちらで書かれているのが痛切だったからーー。痛切で泣いている気持ちが分かるのは、多分同じ医師だけだから。
医療従事者と医療を受ける側とが争うのは、本当は馬鹿げています。医療者も患者さんも、目指すのは同じ健康であったり、苦痛からの解放であったりするはずなのでーーー。
ところで、その両者に争いが起こった場合の現場は裁判所です。裁判官の方が、「手術を間近に控えた家族としては，今さら，考えさせてくださいとはいえない。」とお書きになっておられる。「間近」なのが問題なのか、「家族にもっと早くに話さなかったのが問題なのか」分かりにくいのですが、「考えさせて下さい」とどうして言えないのかは、かなり大きな問題だと思います。
考えたいのに「考えさせて下さい」と裁判官の方が言えないのであれば、当然一般の人は言えないでしょう。同意したけれど、本当は「考えたかった」とおっしゃっているーーー。
人工股関節置換でも死亡症例はあったはずーー（セ外ではないので知らないけれど）。この方の奥様が術中に何かあって死亡されたならば、やはり手続きをご家族が納得なさっていなかったなら、問題になる。裁判官が同意したけれど、「考えたかった」という意見を公開なさるのは、必ずしも軽い表現ではないと思う。
それを
「それじゃいかんよ、君ぃ」
とか言い出したのは法曹界だもんね。
で、不安を煽られただって。
ここ分かってて、"笑うところ"のつもりで書いたんだよね？
ギャグセンスあると思うけどなぁ。
そうなると、じゃあ本当のところ心から同意して貰うには、どうしたらよいのか医師には分からない。リスクをどう話せば納得して貰えるのか、そのリスクが現実に起こったときに、争いになるのではなくて医師に向けての怒りではなくて、もともとの手技にあるリスクがたまたま起こっただけなのだと理解して貰えるのか、よけいに分からい。
分厚い契約書がよいのか、オレに任せろと不確実な約束をするのがよいのか。分厚い契約書が世の中の流れで良いのだろうと思っているけれど、渡された患者さんの困惑も分かるし、作るコストはどこから出てくるのかーー。大変な世界です。
＞＞今、この日本では医学や医療制度の知識に乏しい裁判官たちが医師を裁いている。
＞と嘆いている方がいますが、医療裁判だけじゃない＞ですよ。すべての裁判が事件当事者にとっては専門＞性のあるものばかりです。裁判官はあらゆる事件に＞ついて専門知識がないと裁判できないというんじ
＞ゃ、司法制度は成り立たないですね。
そう、だから今の司法制度がボロボロで成り立っていないんですよ。専門知識のない素人がいい加減に裁くのが正しい司法制度と信じているようでは何の進歩もありません。
＞当事者がいかにわかりやすく論点を裁判所に提示し＞て説得するか、そのために弁護士がいるわけです。
＞患者を含め素人にわかりやすく説明できないのを、＞医学知識に乏しいと非難するのはナンセンスです
＞ね。
さまざまな医療行為に関して、大学の教授や准教授でさえ意見が分かれる場合があるのに、医学を専門的に勉強していない裁判官が、裁判のときにいろいろ聞いたり、その期間に自分で調べたとしても、問題となっている医療の問題点が正確に評価できるわけがありません。非難するのがナンセンスではなく、現在の多くの判決自体がナンセンスなのです。
時間の件でコメントしたいことがあります。
前の手術が2時間長引いたとのこと、その手術が他科あるいは別の執刀医だったら心配ないですが、同じ執刀医だったとしたら、待たされた患者はもちろんつらいですが、執刀医も大変だったと推察します。私が次に手術を受ける患者で、その手術が待機できるものなら、別の日にしてくれと言ってます。二時間もの予想外の手術の延長は、執刀医をはじめスタッフに相当な疲労をもたらしていると思いますので。しかし、私が執刀医で、似たような境遇に出会った時、実際には、待たされた患者の気持ち、入院が延びることによる患者の社会復帰の遅延や経済的負担、後日自分の手術スケジュールがさらにきつくなることを考えて（これは自分の都合ですが）、ついつい無理しております。
ブログに記載されたエピソードでは、事実はどうだったかわかりません。連絡が行き届かなかったことを不満に思われるのは真摯に受け止めます。ご家族を心配されるのは当然です。ただ、「前の手術が長引く」とは、医師・患者双方に不利益なことですから、医師がなるべくそうならないように頑張っていることはご理解下さい（それにしても看護師は何故ごく当たり前のように返事したのでしょう？）。
何かの拍子に早く手術が受けられて、何よりでした。こう言う幸運の無い他の方は、今後数年待ちとかになってくるでしょうね。
感謝が不要なんて誰も言ってませんよ。このブログが感謝してないなんてどうして読めるのかって聞いてるんです。
三択を提示して、医療体制が崩壊したらどうするってほとんど開き直りに聞こえますね。だから、不親切な告知も医療事故も黙って耐えろと言いたいのでしょうか？ それなら、受付から「患者様の権利」の掲示なんて外して堂々とそう言えばいいでしょう。
どうするかを考えるのはまさに専門家である皆さんの役割であって、門外漢の役割じゃありません。
本当に消費税２０％の負担が必要で、そうしないと医療体制が崩壊するというならそのように率直に訴えてください。
納得できるなら私は支持します。
「専門知識のない素人」＝「いい加減に裁く」というのはバイアスのかかった表現ですね。典型的な専門家の奢りだと思います。
理性と常識のある人なら誰にもわかるように解説できなければ科学の名に値しません。
およそ裁判というものは市民の常識（経験則）で判断するのが大前提であって、陪審制はその典型です。
医療事故で死んだ人の遺族や重大な後遺症を受けた人に対してわかりやすく説明する努力をせずに、医学を知らないヤツが悪いという態度では、医療裁判を起こされて敗訴するのも当然かと。
準備万端整った手術の前夜になって危険を告知されても困るということでしょう。
つまり、告知の時期の問題です。
インフォームドコンセントは手術をするかどうかを決めるときにしてほしいというのは、ごくまっとうな要求だと思いますね。
『感謝なんかいらんけど、文句は言うな。』
と言うことでＯＫでしょうか。
感情と文面から読み取れる事実関係をごっちゃにして
書くから話がややこしくなる。
１．インフォームド・コンセプトについては、今、医療裁判のこともあり、絶対にしなければいけないということ。
２．手術が予定通り進まないのはよくあることで、
その間もその医師、スタッフがサボっているわけでは
ないこと。
以上を端的に示してあげればよかったのでは？
裁判官も国民の為？を思ってやっているのに、感謝されてないんだし、この位で許してあげれば？
ブログ主さま。
看護婦と言う単語は使っちゃ、だ・め・よ。
ホントに司法関係者？？？
しかし、医療現場と一般（例え司法関係者といえども）の方との医療に関する知識の差はこの位あるのですね。。。
この理念が適切かどうか、医療全体からの機能で検証する方法と習慣を持たない（というか無視・放棄している）。
医療者が司法に対して、強烈な違和感と不信感をもつ根はここにある。
この理念が適切かどうか、医療全体からの帰納で検証する方法と習慣を持たない（というか無視・放棄している）。
どなたかが仰る様に過剰反応なのかも知れません。
感謝の意が現れていないだの、医者と書いただの書かれていますが、特にそのことについては気になりませんでした。
しかし、何か恐ろしさを感じたのも事実です。
現在、そんなことで罪に問われるのかと考えさせられる判決が多々報道される中で、自分も思わぬことでいつ訴えられるかと戦々恐々しながら診療に当たっています。
患者がとんでもない誤解からクレームをつける、検察、もしくは相手の弁護士はとんでもない誤解を正当化し医師や病院を攻め立てる。
でも裁判官だけには公平な観点で審議してほしい、この不条理から助けてくださいといつも考えてます。
しかしこのブログには、五ヶ月と言われた手術がどういうわけか早まった・・・、えっ、五ヶ月先の手術が早まったとは説明と違ってけしからん、どういうわけかきちっと釈明しないのは医者の責任と裁判官様が思ったのか？
手術を間近に控えた家族に考えさせてくださいと言えない様にしたのは医者の責任だと裁判官様が思われた？
手術が2時間伸びたのを知らせないのは医者の責任だと裁判官様が思われた？
こんな風に思われていると思うと、訴えられたら勝ち目はないと思ってしまうのです。
別にけしからんとはかかれていませんが、考えすぎと言われればその通りですが、それぐらい神経衰弱になっているのです。
どうか裁判官様だけでもいいので理解してください。
>不親切な告知も医療事故も黙って耐えろと言いたいのでしょうか？
まさにここですね。
医療に100％の保証はない。どんな薬にだって必ず副作用があるように、どんな手術にだって必ず合併症はある。
だから、「恐怖を植え付ける術前説明」をするのか「そんな恐怖を受けずに安心して手術する。しかし、万一のことはあることは暗黙の了解としてもらう」
のどちらかしかないでしょう。
数十年前は、完全に後者でした。患者さんの家族が「医療は不確実な物」と言うことを理解されていたからです。
時代が変わり、きめ細かい説明が要求されるようになりました。我々は今まで「恐怖を植え付けない、しかし安心できるような説明」を心がけるようにしていましたが、そのような説明は司法では無意味なようで（嘲笑）
最終的には、「恐怖を植え付ける術前説明」の道に辿り着く気がします。
とても怖い術前説明を手術の1〜2週間前にやる。そして1〜2週間待つ、、、私だったら、ゴメン被りたいですが（苦笑）
>何かの拍子に早く手術が受けられて、何よりでした。こう言う幸運の無い他の方は、今後数年待ちとかになってくるでしょうね。
イギリスは肺癌の手術が1年待ちだそうです（苦笑）