日銀総裁「空席でも影響なし」 白川代行2008年03月21日21時50分 戦後初めて総裁が空席になった日本銀行で総裁代行を務める白川方明副総裁(58)は21日、西村清彦副総裁(54)とともに日銀本店で就任会見をした。白川氏は総裁空席について「組織のトップがいないのは異例の事態だ」と語り、「早く通常の状態になることが望ましい」と空席の早期解消に期待を寄せた。新総裁を決められなかった政治の責任については、「私の立場でコメントするのは適切でない」と述べるにとどめた。
両氏は20日付で就任、休日明けの21日が新体制の事実上のスタートとなった。総裁空席の影響について、白川氏は「日銀はいささかも影響を受ける組織ではない」と強調。「適切な政策を積み重ね、しっかり説明し、国民の信認を得たい。それが日銀の独立性を確保する基盤だ」と語った。 4月は主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)など重要日程が続く。自身の対応については「(その時期にまだ)総裁がいないという前提で話すのは適切でない」としたうえで、「経済や金融には一日も休みはない。総裁が任命されるまで、しっかり職責を果たしたい」と述べた。 当面の政策運営については「国際金融市場の動揺や世界経済の減速、原料価格の高騰など内外共に多くのリスク要因を抱えている」と指摘し、米低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題への対応を「最優先の課題」として挙げた。欧米の金融当局は市場への資金供給を繰り返しているが、日本のバブル崩壊後の経験を踏まえ、「流動性の供給は必要な政策だが、それだけで問題が解決するわけではない」と指摘した。 国内経済については「住宅投資の落ち込みなどで減速しているが、基調として緩やかに拡大している」とし、現在の金利水準についても「潜在成長率と比べると非常に大きな緩和方向の力を発揮している」と、従来の日銀見解を踏襲した。 ただ、「経済が変化するときには上にも下にも大きなスピードで変化するだけに、政策運営は予断を持たず判断したい」と柔軟な姿勢も見せた。 国会同意をめぐり議論となった財政当局と金融政策の当事者を分ける「財金分離」については「そうした制度設計は(中央銀行の)独立性のうえで大事だ」との見方を示す一方、「財政だけをピックアップして金融政策が決まるのではない」と述べた。 就任の打診を受けた経緯については「(政府が人事案を提示した)7日の正午ごろ、福田首相から直接電話があった」と明かした。「責任は重いが中央銀行の仕事は奥が深い。しっかりやってみようと思った」と受け入れた理由を述べた。 西村氏も会見で、自身の人事案が提示された18日朝に福田首相から話があったと打ち明けた。 PR情報この記事の関連情報ビジネス
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