“謝罪”“抗争集結宣言”の背景は
“謝罪”“抗争集結宣言”の背景は 03/21 19:36

九州誠道会をめぐっては、きのう、組幹部が佐賀県武雄市の病院で、抗争の巻き添えとなって殺害された男性の遺族に謝罪しています。

その際、「抗争を終結させる」と伝えたということですが、果たして、その言葉通りに抗争事件は終わるのでしょうか?

指定暴力団道仁会系の組員今田文雄被告に射殺された宮元洋さん。

今田被告は、宮本さんのことを対立する指定暴力団九州誠道会の関係者と間違って犯行に及んでいましたが、きのう、その九州誠道会の幹部2人が、遺族の元を訪れ、抗争の巻き添えになったことを謝罪しました。

そして、一通の書面を手渡しました。

九州誠道会の会長名で記された書面を手渡す際、幹部らは、「道仁会の意向にかかわらず、抗争を終結したい」と話したということです。

宮元さんを含め、これまでに7人が殺害された一連の抗争。

終結への動きは、去年12月に表面化していました。

道仁会と九州誠道会双方が一時的に抗争を休止することで合意、その後も、九州誠道会側から和解に向けた水面下での動きがあわただしくなります。

道仁会の中にも、和解に前向きなグループはあったものの、組織のトップである会長を殺害されている道仁会にとって、このまま和解に応じることはできないとの結論に達したといいます。

道仁会関係者は、その理由として、「道仁会としては、九州誠道会という組織を認めていない。和解をすることは、“組織”として認めることとなり、抗争を終結するには、九州誠道会が“解散”するしかない」としています。

こうした暴力団同士の一方的な思惑が、交錯する中での謝罪や終結宣言に、遺族は困惑を隠せません。

九州誠道会側の一方的な「終結宣言」の背景について、福岡県警は、「指定暴力団への指定や徹底した取り締まりや組員の逮捕で、組織の運営に支障が出て、危機感を募らせているため」とみています。

また、九州誠道会が、日本最大の暴力団・山口組の有力組織と連携を取っているという情報もあり、警察では、緊張がより高まる可能性もあるとみて、引き続き警戒を強めるとしています。