経済産業省は21日、照明用としては販売を認めていなかったアンティーク(古美術品)の照明器具について、通電検査などで一定の安全性を確保すれば販売を認める方針を決めた。シャンデリアなどは芸術価値が高いが、実用性も認められた格好だ。同省は、電気用品の安全基準を定めた電気用品安全法(電安法)に例外規定を設け、4月中に施行する方針。
電安法では、68年11月以前に作られた照明器具は電気用品として販売を認めていない。ソケット、コード、コンセントが破損していたり、同法規定の落下試験も不可能なためだ。点灯できないものに限り観賞用や装飾用として取引できる。
しかし、100年以上前に作られた海外製の電気スタンドや電灯付き家具などは、かさに芸術的なステンドグラス装飾が施されるなど価値が高く、高額で取引される。一方、コンセントなどを修理して点灯したいとの購入者の希望も多く、オークション業者などが、照明器具としての販売を要望していた。
例外規定では、照明器具として修理した後、絶縁耐力検査や通電検査などの安全検査を行ったうえで、注意事項を明記した説明書を添付することを条件に販売を認める。【秋本裕子】
毎日新聞 2008年3月21日 21時53分