2008年3月21日 21時15分更新
4年前、福島県の県立病院で、産婦人科の医師が帝王切開の手術で女性を死亡させたとして業務上過失致死などの罪に問われた裁判で、検察側は、「産婦人科医としての基本的な注意義務を怠った刑事責任は重大だ」と指摘してこの医師に禁固1年、罰金10万円を求刑しました。
福島県大熊町にある県立大野病院の産婦人科の医師の、加藤克彦被告(40歳)は、平成16年12月、帝王切開の手術の際に女性の胎盤を無理にはがし、大量出血を引き起こして死亡させたとして、業務上過失致死などの罪に問われています。
これに対し加藤医師は、「手術にミスはなかった」として無罪を主張しています。
福島地方裁判所で開かれた裁判で、検察側は、「加藤医師が大量出血の危険性を認識しながら、手術用のはさみを使って子宮から胎盤を無理にはがし続けたことは過失にあたる」と述べました。
そのうえで検察側は、「産婦人科医としての基本的な注意義務を怠っており刑事責任は重大だ。
幼い子どもや夫を残したまま突然、命を絶たれた被害者の無念さは察するに余りある」と指摘し、加藤医師に禁固1年、罰金10万円を求刑しました。
次の裁判は5月16日に開かれ、弁護側が最終弁論を行います。