20日午後7時50分ごろ、京都市左京区田中上古川町にあるマンションの管理会社から、「2階の部屋の玄関に硫化水素発生中という張り紙がある」と119番があった。市消防局員が駆けつけると、玄関ドアが内側から目張りされ、浴室内で男性が死亡していた。
府警下鴨署の調べでは、この部屋に住む20代のアルバイト男性とみられ、自殺の可能性が高いという。張り紙には手書きで、「浴室で硫化水素発生中。絶対に入室せず、消防に連絡して下さい」などと記されていた。浴室から硫化水素が検出され、液体の入った衣装ケースがあった。
男性はこの日、部屋を退去予定で、管理会社員が訪問して張り紙を見つけた。【奥野敦史】
◇
市販の薬剤を混合し発生させた硫化水素ガスで自殺するケースは昨年から全国で相次いでおり、1年間で少なくとも8件が確認されている。他人の巻き添いを避けるため「有毒ガス発生中」と張り紙をする方法はインターネットの自殺サイトで紹介されており、サイトを参考にしているとみられる。
毎日新聞 2008年3月21日 0時51分 (最終更新時間 3月21日 11時29分)