福岡県鞍手町の針金が首に食い込んだままとみられていた犬が19日、県鞍手保健福祉環境事務所(同県直方市)に無事保護された。結局、首に針金はなく、食い込んでいた針金が途中ではずれて首の部分の成長が止まったとみられる。「引き取りたい」との声が全国から寄せられており、同事務所は「けがの手当てをした後、飼い主を決めて引き渡したい」としている。
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犬は雄の雑種。2歳とみられる。子犬だった06年夏ごろから鞍手町の住宅街で、首から針金を引きずってうろつく姿が目撃されている。その後、引きずる針金はなくなったが首回りに不自然なくぼみがあり、一部が残っているとみられていた。興奮したり、激しく運動した後は息苦しそうな様子を見せていた。
中に餌を仕込んだ捕獲器を何度か設置したが、警戒心が強く一度も掛かったことがなかった。今回、日ごろ餌を与えるなどして比較的犬が慣れているとみられる住民に協力を要請。17日にこの住民宅の庭先に犬用ケージを設置。19日朝、犬が中で寝ていることに気付いた住民が扉を閉め、保護した。
県事務所によると、全国から7件の引き取りの申し出が寄せられている。市内の動物病院がレントゲンなどで針金がないことを確認。首の部分の筋肉や血管が萎縮(いしゅく)しているとみられるという。狂犬病の予防注射をした後、保護に協力した住民の意見を聞いて引き取り手を決める。住民の一人は「優しい顔で、おとなしいワンちゃん。早く傷を治して、いい人にもらわれてくれれば」と話している。【入江直樹】
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