【北京・大谷麻由美】中国・新華社通信は20日、中国チベット自治区ラサから拡大した四川省アバ・チベット族チャン族自治州の16日の暴動で、地元警察の話として「自衛のため銃撃し4人が負傷した」と報じた。
新華社は当初、「4人を射殺」と速報したが、約20分後に「負傷」と訂正した。国営通信社である新華社の「射殺」から「負傷」への訂正は、内容の信ぴょう性を巡る憶測を呼びそうだ。
同自治州の暴動では、インドを拠点とする非政府組織(NGO)「チベット人権民主化センター」が18日、少なくとも15人が死亡したと発表した。
新華社はこれまで、中国国内での死者数はラサで暴動の犠牲となった市民ら13人のみで、武器使用に関しては、ラサで「一定量の催涙弾を発射し、威嚇射撃を行った」と認めただけだった。
毎日新聞 2008年3月21日 東京朝刊