台風接近でくも膜下出血多発 沖縄・八重山諸島で調査2008年03月21日10時01分 台風が近づくと、脳卒中の死因の約1割を占める、くも膜下出血が増える可能性があることが、国立病院機構・関門医療センター(山口県下関市)の泉原昭文・脳神経外科医長の調査でわかった。低気圧が血管のこぶを膨張させるなどし、脳動脈瘤(りゅう)が破裂したと推測している。京都市内で20日から始まった日本脳卒中学会で発表した。 泉原さんは、00年から約2年間、沖縄県立八重山病院に勤めた。冬や春に多いとされるくも膜下出血の患者が、八重山諸島では、台風シーズンに集中していることに気づいた。89年10月から02年12月までの13年間に、脳動脈瘤の破裂が原因とみられるくも膜下出血で入院した患者94人(平均年齢57.3歳)の発症時期を調べた。 この間に石垣島に接近した台風は56個ある。台風が最も近づいた日を中心に、前後3日間を「台風接近時」として、接近時とそれ以外の時期のくも膜下出血の発症者数を比べた。その結果、接近時の100日あたりの発症が約3.4人だったのに対し、それ以外は約1.9人で、接近時の発症がふだんより約1.8倍高かった。 泉原さんは「台風接近による気圧変化で脳動脈にできていたこぶが変形したり、気圧の低下で膨張したりして破れたのではないか。不安感が高血圧を起こした可能性もある」と推測する。「気候と病気の関連についての研究が進めば、予防医学にも役立つ」と話している。 PR情報暮らし
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