首都圏の私立大・短大に昨年入学し、自宅外から通う学生の仕送り額(6月平均)が9万5900円と過去最低水準だったことが17日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査で分かった。奨学金の受給を希望する家庭の割合も過去最高に達し、各家庭が苦しい経済事情にあえぐ姿が浮かび上がった。
調査は85年度から(奨学金希望は92年度から)実施。今回は1都4県(神奈川、埼玉、千葉、栃木)の17大学・短大に通う子供を抱える4278家庭から回答を得た。
仕送り額は94年度の12万4900円をピークに減少傾向が続き、昨年度(9万9200円)初めて10万円を割ったが、今回さらに3300円下回った。また仕送りから家賃を引いた月当たりの生活費も3万6700円と過去最低。
奨学金を希望すると回答した家庭(自宅通学を含む)の割合は63.2%と過去最高で、このうち「実際に申請した」と回答した家庭も過去最高の61.0%だった。
一方、受験から入学までにかかる費用の平均は211万8826円と、前年度比1.2%の減少。入学費用の借入額は平均164万8000円で、前回を9万5000円下回った。東京私大教連は「学生を確保したい大学側は初年度納付金を抑えているが、家計の苦しい状況は続いている。生活不安で『借金を抱えたくない』と考える家庭も増えている」としている。【加藤隆寛】
毎日新聞 2008年3月17日 21時08分 (最終更新時間 3月17日 23時25分)