台湾総統選:候補暗殺説で警戒強化
22日に投票を迎える台湾総統選挙を前に、候補者暗殺の可能性を示す情報が流れ、警備強化が通達された。選挙戦は世論調査でリードしている国民党の馬英九候補と民進党の謝長廷候補の一騎打ちで、国民党が2000年以来の政権奪還を果たせるかが注目点だ。
18日午前、馬候補は新竹県で当初予定した街頭遊説を中止した。同県在住の男性(51)がガソリンをかぶり火を付けた上で馬候補を襲撃するとの情報がもたらされ、警備当局が緊急に通知したためだった。11日にはレーザー光線によるとみられる赤い点が遊説中の馬候補の体の上を13分13秒にわたり動いていたことが分かり、狙撃の可能性も指摘された。
台湾紙の聯合報などは「東南アジアのプロの殺し屋が潜入したといううわさがある」と報じた。米国の予言者は最近、「総統選挙の期間中に放火事件が相次いで起き、遊説会場が火の海になる」と予測している。
こうした暗殺の脅威を意識し、馬候補は今月初めから厚さ1.5センチ、重さ4.5キロの特殊防弾チョッキを着用して遊説に臨んでいる。また、丈夫な防弾ガラスを装着した170万台湾ドル(約545万円)相当の新型リムジンも購入した。
国民党の呉伯雄主席は18日、国家安全局に対し、馬候補だけでなく、ライバルの謝長廷候補に対する身辺警備の強化も求めた。4年前の前回総統選では投票日前日に民進党の陳水扁候補(現総統)に対し自作自演の疑いも浮上した銃撃事件が起き、国民党の連戦候補が土壇場で逆転を喫した苦い経験があるためだ。
一方、19日付香港紙明報によると、日本の横須賀港を事実上の母港とする米空母キティホークが東シナ海に向け出航し、公海上に待機していると報じた。キティホークの出航は総統選挙前後の台湾海峡の軍事動向を監視し、中台間の緊張に速やかに対応することが目的とみられる。
香港=宋義達(ソン・ウィダル)特派員
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