チベットの暴動が四川省や甘粛省など周辺地域に拡大したことを受け、中国外務省は、外国人がこれらの地域に立ち入らないよう勧告しました。
「現在の情勢に配慮し、外国人は暴動が起きた地域に立ち入らないでほしい」(中国外務省 秦剛 報道官)
中国外務省の秦剛報道官は、このように述べたうえで、「外国人の安全のためだ」と強調しました。
また、イギリスのブラウン首相がチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と会談する意向を示したことについては、「ダライ・ラマは祖国を分裂させようとしている」として、会談の中止を要求しました。
さらに、国際社会がダライ・ラマ14世と対話するよう求めていることについても、「一連の暴動はダライ・ラマの発言が信用できないことを示している」として、対話を拒否する考えを表明しました。
AP通信は、ダライ・ラマ14世が中国の胡錦濤国家主席との話し合いに向けて準備ができていると伝えていますが、中国当局は、こうしたメッセージを警戒しているものとみられます。
一方、中国の国営テレビは、ラサ市内は平静を取り戻しているという報道を繰り返していますが、現在もラサに残っている日本人旅行者は、次のように語りました。
「チベット人居住区の辺りは騒然とした感じで、軍隊がたくさん立っていて警備している」(ラサにいる日本人旅行者)
また、中国当局は、安全確保を理由に外国人旅行者を一部のホテルに集めているということです。(20日20:42)