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ラサ騒動 “北京五輪人気”当て込んだ旅行業界やきもき (1/2ページ)
このニュースのトピックス:中国
北京五輪開催まで5カ月足らずとなった中国で起きたチベット自治区ラサの騒乱が、日本の旅行業界にも暗い影を落としている。チベットは近年、観光地としても注目され、昨年、チベットを訪れた外国人は約34万人。うち2割が日本人ともいわれる。旅行業界は五輪前に、チベットを含めた中国観光人気を当て込んでいたが、「毒ギョーザ事件に続く痛手」。不穏な情勢が続くなか、旅行業界は「騒乱が広がらないことを祈っている」と、現地の動向を注視している。
「かつてはチベットに旅行をする人は限られた人たちだったが、一昨年、青蔵鉄道が開通したころから状況が変わってきた」と日本旅行業協会の渋川裕之さん。青海省西寧とラサを結ぶ青蔵鉄道は2006年7月に開通。標高4000メートルを超す“世界の屋根”を走る鉄道としてメディアで広く紹介され、チベット観光の目玉になっている。
人気にいち早く目を付けた阪急交通社(大阪)は、「天空列車」のネーミングで開通直後から青蔵鉄道ツアーを企画。6カ月間で2000人が参加する大ヒット商品になった。このため、騒乱に、同社は「ツアー参加者の多くは60、70代。チベット旅行も身近な存在になりつつある。中国観光をますますのばしたい時なので五輪関連のツアーに影響が出るのではないかと心配している」と気をもんでいる。