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【衝撃事件の核心】物置に現金58億円の驚愕 巨額相続税脱税「自宅に現金があるのを忘れてた」 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:衝撃事件の核心
自宅の物置から現金約58億円の札束が見つかった大阪市生野区の姉妹による脱税事件。外から見れば普通の家の普通のガレージ。しかしシャッター1枚隔てた向こう側は、誰も見たこともないほどの札束の山だった。大阪・ミナミにも進出し、一代で資産を築いた父親の預金をコツコツと解約しては箱や紙袋に入れて無造作に積み上げていたという、驚くほど単純な手口。捜査関係者も「自宅に隠していた動機は判然としないが、火事でも起きたらどうするつもりだったのか」とあっけにとられる事件だった。
適当な脱税
大阪市生野区のコリアンタウンから歩いて数分のところに、李初枝容疑者(64)=相続税法違反で大阪地検特捜部に逮捕=の自宅が建っている。敷地面積約82平方メートルの一般的な2階建て住宅。玄関脇に、今は物置として使用されているガレージがある。
「確かに高そうな着物を着てた。そやけどそんなにお金を持っていたとは。近所でも人さまの家の中まで見ないからねえ」。近所の人たちも驚くやら嘆息するやら。
段ボール箱や菓子箱、紙袋…。それらは「脱税用」に購入したわけではなく、身近にあった食料品や飲料の箱を用いていた。形も大きさもふぞろいで、どの箱にいくらが保管されているか記した明細のようなものもなかった。あり合わせの入れ物に、適当に詰め込むやり方だ。
一般的な脱税事件では、現金は床の下に隠したり、庭の木の近くに埋めたりと隠蔽工作に汲々としているケースがあるという。しかしそれさえも普通の感覚だと錯覚させる李容疑者のやり方。あまりの巨額さに金銭感覚がマヒしたのか、隠蔽工作などという込み入ったことをした形跡はなかった。