福岡県教委は19日、体に障害のある生徒の電動車いすのスイッチを切って動けなくし、胸ぐらをつかんで暴言を吐き精神的苦痛を与えたとして、北九州市内の県立高校の男性教諭(49)を停職1カ月の懲戒処分にした。停職後は県教育センターでの1年間の指導改善研修を命じる方針。
県教委教職員課によると、教諭は昨年6月14日午後2時半ごろ、担任する2年の男子生徒(17)と個人面談中、生徒から「先生は信用できない」と言われ激高。電動車いすのスイッチを切って身動きが取れない状態にしたうえで、生徒の胸ぐらをつかんで「うるさい」「黙れ」などと怒鳴った。
教諭は生徒のトイレの介助をする約束をしていたが、十分な介助をしていないと生徒から指摘されて怒ったという。生徒は恐怖心から教諭の授業に出席できなくなったため、高校側は7月から教諭をクラス担任と生徒が出席する授業から外している。
この他にも、授業が騒がしくても注意をしないなど指導力が不十分で改善が見られなかったため、懲戒処分に踏み切ったという。
県教委は「教諭の言動で生徒が授業を受けづらい状況になったことは申し訳ない。二度とこのようなことがないよう、再度、綱紀の徹底を図っていきたい」と話している。【木下武】
毎日新聞 2008年3月19日 23時13分