2008年03月20日 更新

【レスリング】松永・池松が五輪代表に決定−アジア選手権

男子フリー55キロ級で優勝した松永(左)と同66キロ級3位の池松がメダルを手に笑顔。北京五輪代表も決め、喜びもひとしおだ(共同)

男子フリー55キロ級で優勝した松永(左)と同66キロ級3位の池松がメダルを手に笑顔。北京五輪代表も決め、喜びもひとしおだ(共同)

 アジア選手権第2日(19日、韓国・済州島) 男子フリースタイル4階級を行い、55キロ級の松永共広(27)=綜合警備保障=と66キロ級の池松和彦(28)=K−POWERS=が北京五輪出場枠を獲得し、五輪代表に決まった。松永は決勝で韓国選手を2−1の判定で下して優勝。池松は敗者復活戦から3位決定戦に進んで3位。66キロ級は上位の国・地域が既に五輪出場枠を獲得しているなどの事情で、日本が枠を得た。84キロ級の鈴木豊(29)=自衛隊=と120キロ級の荒木田進謙(19)=専大=は今大会での五輪出場枠獲得はならなかった。

 地獄から天国へ生還した。延長戦となった第3ピリオド。審判団は当初、梁に2ポイントを与えたが松永のセコンドが猛抗議。協議の結果、逆に松永に2ポイントが入り奇跡の五輪切符を手に入れた。「本当にうれしい。もう負けたと思った」。実家は静岡・焼津市の常照寺(浄土宗)。日体大で実績を残せなければ僧侶になるつもりだった。「自分のことに集中していた。北京では優勝を目指したい」。07年世界選手権では松永を含むフリースタイル全7階級で出場枠を逃したが、威信を回復させた。


■松永 共広(まつなが・ともひろ)

 1980(昭和55)年6月27日、静岡・焼津市生まれ、27歳。95年に史上初めて全国中学選手権3連覇を達成。沼津学園高2、3年のとき高校5冠。日体大−綜合警備保障。2005年世界選手権5位。1メートル63、55キロ

■池松 和彦(いけまつ・かずひこ)

 1979(昭和54)年12月26日、福岡・夜須(現筑前)町生まれ、28歳。三井高−日体大−日体大大学院。2003年世界選手権銅メダル。アテネ五輪5位。4月から福岡大助手。K−POWERS所属。1メートル71、66キロ

★吉田ら気合十分

 20日に登場するアテネ五輪女子55キロ級金メダルの吉田沙保里(綜合警備保障)、同72キロ級銅メダルの浜口京子(ジャパンビバレッジ)が前日計量をパスした。連勝記録が「119」でストップした1月の女子W杯(中国)以来の試合となる吉田は風邪をひき下痢も併発したが、「自信は100%ある」と余裕の表情。昨年の世界選手権で誤審に泣き9位に終わった浜口は「この大会で優勝する」と出場枠獲得へ気合を入れた。