piece of peace

peaceful days
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サヨナラの代わりに。
Kenny Rankin ‘Peaceful’.jpg
これはブログ再開ではなく、ミクシィ退会のご挨拶に代えさせていただく、最後の日記です。

ミクシィは幾つかの素敵な出会いをもたらしてくれました。
しかし必要な方々とはもう出会えたと思いますし、もともとの友人を含め、繋がる方とはミクシィがあってもなくても繋がっていけると思うので、退会にあたって悔いはありません。

なんて言うと大げさですが、先日、数年間会っていなかった中学時代の友人から、
「去年の5月に男の子が生まれました!
やっと落ち着いてきたから遊びに来ない?」
とメールが来ました。

実は彼女と最後に会ったのは東京在住時代で、京都に帰ってきてから、連絡しようと思いつつ、ずっとしそびれていたのです。
それでも彼女は連絡をくれた。
つまり、友だちというのはそういうものなんですよね。



さて、出張から帰ってきたら社内の状況が変わっていて、来シーズンからは合同展示会出展でなく、自社の個展形式になります。
初の個展は、渋谷は明治通り沿いの一等地のビルで!

それに伴い、私は自社で新しいブランドを立ち上げることになりました。

初めての個展では展示用サンプルはもちろん、担当ブースのデザインまで各デザイナーが手がけるのでまだまだわからないことだらけですが、相方のデザイナーは、感性がとても似ていて、お互い驚くほどの絶妙なコンビネーション!

何せ一から準備するので今秋の個展開催までとにかく時間がなく、現在2008秋冬の企画と並行して、2009春夏の企画、得意先の別注企画や一般向け商材の企画、サンプルアップ、カタログ制作…と、目が回りそう!

小走りにサンプルルームとデスクを行ったり来たり慌ただしいけれど、オリジナルブランドの初の個展開催に胸踊らせる日々です。


私がこの会社に採用された当時はバッグのカテゴリーは既存ブランドのライセンスものとノーブランドでしたが、私はこう思っていました。
「いつか新しいブランドを立ち上げて、会社の発展に貢献できるようなブランドに育てていこう」
と。

ところが早くもブランド立ち上げというところまでは叶ってしまいました。


もうどれくらい前からかわからないけれど、
「こうしたい」
「○○が欲しい」
という強い思いは気づいたら叶うようになってきました。

自分の中で気持ちが固まった時は既に事は動き始めていて、ごく自然な流れで目標に近づいていくような。

趣味でバッグを作って友人にプレゼントしていた私を見て

「あなたには才能がある。
そういう道に進むべきだよ」

と、自信がなかった私を励まし続け、デザイナーという仕事に導き支えてきてくれた恋人が、

「あなたには何よりも素晴らしい想像力がある。
想像できるのは、それを実現できる力があるからだよ」

とよく言ってくれていましたが、その通りかもしれない、と思います。
旧ブログでもそのへんのことは記事にしたことがあったけれど。

無謀にも個人で始めたブランドの商品を自分が大好きでよく買い物していたセレクトショップで取り扱ってもらえたのを始め、今の会社に入れたのも、私にとっては奇跡のような出来事です。

それは私が尊敬する友人が、まさにミラクル!としか言いようがないくらいの経験談でもって熱く語ってくれたのと同じことだなあと思います。
彼女に比べたら私はその規模が小さすぎますが…。


以前のブログの休止に関しては、ちょうど出張から帰った翌日、京都に遊びに来ていた東京の友人と会って話していたら、なんと彼女も同じようなことを考えていたとの事で、そのシンクロぶりにビックリ!

インターネットという広いようで狭い世界で、言葉や画像だけで伝えることの難しさや、それとは真逆のアナログで温かみのある生身の人間同士の触れ合いへの回帰を求めている話など…
数時間という短い間だったけれど、語りあえて本当に楽しかった。

旧ブログに関しては、オリジナルブランドの商品展開を休止した時点で、ブログタイトルも単なる記号となってしまい、書くべきメインテーマを失ったブログはさぞかしつまらないものだろうと自覚しつつ、いつの間にか読み手を無視して「ただ書いている」だけになってしまっている日記を「辞める理由」を無意識に求めていたのかもしれません。

形としては望ましいものではなかったけれど、結果として辞めるのは自分が望んだこと。

ただ、大切な家族や友人知人を巻き込んでしまったことは私の無責任さが生んだ大きな罪であり、簡単に許されるものではありません。
しかしそんな友人たちが
「私は全然平気だから」
「ちゃんとわかってるから心配しなくていいよ」
「本人よりも腹が立ってる!」
「ブログが読めなくなって寂しい」
「再開する時はまた教えてね」
などと口々に言ってくれて、本当に救われる思いでした。

勢いだけで書いた軽率な文章が不特定多数の方々を不快にしたのだろうと反省し、‘そこ’に出向いて謝罪文を掲載しましたが、理解されていないようでした。
それどころか根も葉もないデタラメの羅列に、よくもまあ見ず知らずの人間のことにそこまで執着できるものだと呆れてしまいました。
実際の知り合いやメディアを介して知っている有名人相手ならまだしも、会ったことのない人間に対してそんなに誹謗中傷するなんてよほど暇なのだろうと羨ましくなったほど。

そもそも、そういう所にいる人たちみたいに、暇つぶしに他人のあら探しをして悪口陰口を言うことでストレスを発散させるような人は私の周囲にはいません。
自分の人生が充実している人ほどインターネットに縛られていないし、他人のことをとやかく言わない。
そんなことをしても自分には何の得にもならないどころか、言えば言うほど自分の価値を下げるだけなのに、可哀相な人たちだと思います。

正直、そんな人たちに何を言われようが気にもならないし、それについて考える時間すら無駄なので、これから先、再び‘そこ’を訪れる気は全くありません。

こんな所で立ち止まる暇なんて私にはないのですから。

ネット上の会ったこともない人たちに何を言われようと、私は現実社会で勤める会社に必要とされているし、敬愛する友人知人やもちろん家族も、こんな私を見守り、時には叱咤激励してくれます。


不況の中でも大幅に成長を続ける会社で、心から尊敬する社長に「期待しているよ」と言ってもらえることの有り難さ。

気がつけば、ミクシィで知り合った方を含め、自分の周囲には年上だろうが年下だろうが関係なく「素敵だな」と思える人たちで溢れていて、私は日々の生活において不平不満を感じることがほとんどありません。
これは随分昔からですが。

毎日、朝目が覚めた時、夜眠りにつく時、今日という日に生きていることに感謝せずにはいられません。

不平不満ばかり言う人の周りにはそういう人が集まる。
世の中はうまくできていますね。



先月には、私が企画したバッグが何百個と得意先に納品されました。
街で私がデザインしたバッグを買って下さった方々を何人も見かけられるのは、たった一人の方の為に心を込めてハンドメイドで作ったバッグを買っていただく時とははまた違う喜びがあります。

これから先しばらくは初めての経験だらけで戸惑うことや失敗することもあると思うけれど、それすらも楽しみながら自らの糧とし、デザイナーとして、また人間として成長し、自分の愛する人たちを大切に守れる人間になりたいと思います。



「子どもは欲しいけど、結婚は別にどうでもいいなあ。
外国じゃ籍入れなくても子ども産んで育ててるカップルも多いじゃない?
(ジョニー・デップやブラピとか)
お互い自立して、そのうえで、紙切れだけじゃない絆があれば一緒にいられると思うんだよね。
日本もそうなればいいのに。
でもまあ、人生経験の一つとして一回はしてもいいかな、結婚。
してみないと良いか悪いかわかんないし」
(今思い出してみるとどんだけ高飛車発言だったのか、自分!(笑)

「じゃあ、その一回を俺にちょうだい」

「え?」

「今の、プロポーズだよ」

(その時もなんてキザな台詞だと思ったけど、今思い出してもやっぱりキザだ!(笑)
近しい友人知人は聞いたことある話だと思いますが)

私と同様に結婚願望がなかったはずの恋人が、

「貴女だからそう思った」

と言ってくれた時は嬉しかったけれど、先日、結婚している友人と話していたら、よくわからなくなってきました。
ただ、今は仕事が楽しくてしょうがないし、期待に目一杯応えたいので、しばらくはいいかな…と思っています。

今までも、誰かにそばにいてほしいと思った時は不思議とそんな人が現れてきましたが、人生はなるようになるわけだから、気持ちの赴くままに、素直に生きていきたい。

今まで通勤電車の中でミクシィをしたりブログを書いたりしていた時間を読書に充てたいと思い、久々に本を沢山買いました。
今、奥田英朗著『イン・ザ・プール』と『空中ブランコ』を読んでいるのですが、その中に‘「あるがまま」にするのが人間はいちばんいい’という文章があります。

私は自分自身で、素直じゃないところが短所だと思っているのだけど、周囲からもそこは一番よく指摘される部分。

褒められたら変に裏を読もうとせず素直に喜んだり、寂しい時や落ち込んだ時は無理に明るく振る舞わず素直にその気持ちを表したり、自分の感情に素直に生きられるようになりたい。
そう思います。

大分年上で私が尊敬している女性につい最近も言われたんですよね。

「あんたは外見は可愛いけど‘可愛げ’に欠ける。
素直じゃないし。
‘女は愛嬌’って言うでしょ?」

当面の目標は‘可愛げのある女’になることかな?!


私が素敵だと思う女性の一人にジェーン・バーキンがいます。

自然体で飾らなくて、でも知的でセクシーで少女のようなあどけなさをいつまでも失わない女性。しわくちゃな笑顔までが魅力的。
喜びも悲しみも自分の糧にして生きてきた人は幾つになっても輝いている。

そんなふうに生きていきたいな、と心から思います。


このところ、大好きなKenny Rankinのベストアルバムがまたマイブームです。
タイトルは、『Peaceful』。
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