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【愛知】高齢・低所得の親が子養う 引きこもり家庭調査2008年3月20日 県が実施した引きこもりのいる家庭に対するアンケートで、同居している親の6割近くが60歳代以上で、約3割が年金生活者などの無職であることが分かった。一方で、保健所など公的な相談機関の利用者は少なく、不安定な経済環境の中で孤立を深める引きこもり家庭の実態がうかがえる。 アンケートは、2006年に名古屋市北区の引きこもり更生支援施設「アイ・メンタルスクール」で逮捕監禁致死事件が起きたことを受けて設置した県ひきこもり対策検討会議の検討資料として昨年9月、県が県内の引きこもり支援団体を利用している681人を対象に、団体を通じて実施。242人が回答(回答率35・5%)した。 それによると、引きこもり本人の性別は7割が男性、3割が女性。年齢は20−30代が約71%を占め、10代は12%、40代が8%、50歳以上が9%だった。 9割が親などの家族と同居しており、親の年齢は60歳以上が56・2%。親の職業は会社員(公務員含む)が32・2%で最も多く、自営業も16・7%あったが、パート・アルバイトが16・3%、年金生活者などの無職も27%あった。親の年収は300万以下が25・3%、300万−500万円が24%を占め、高齢な親が厳しい経済環境の中で、成人した子どもを養っている実態がうかがえる。 引きこもりになった時期は10代後半が30・6%で最も多く、20代前半が27・5%、10代前半が16・7%と続いた。きっかけは、対人関係が6割で最も多かったが、30代では4割が「就職、仕事」を挙げ、際立った。 状況が深刻化する一方で、保健所・精神保健福祉センターの相談を利用したことがある人は35・2%にとどまった。理由として「相談を実施していることを知らない」、「相談しても仕方がない」がそれぞれ3割近くあり、行政に対する不信感もうかがわせた。 アンケート結果は19日に開かれた第3回検討会議で報告された。 (山本真嗣)
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