中国外務省の秦剛報道官は２０日の記者会見で、国際社会がダライ・ラマ１４世との対話を求めていることについて、ダライ・ラマ１４世が分離・独立活動を完全に止めチベットと台湾を中国の一部と認めることが条件だと述べました。そのうえで、ダライ・ラマ１４世がすでに記者会見などの場で「独立を求めてはいない」と明言していることについては「最も重要なのは行動だ。今回の一連の暴動はダライ・ラマの発言が信用できないことを証明している」と述べ、ダライ・ラマ１４世との対話には応じられないという姿勢を鮮明にしました。また、イギリスのブラウン首相がことし５月にダライ・ラマ１４世と会談する予定だと発表したことについては「重大な懸念を表明する」として「イギリスはダライ・ラマの本性を見極め、いかなる分離活動にも支持を与えないことを強く要求する」と述べました。中国は、去年９月にドイツのメルケル首相がダライ・ラマ１４世と会談したことに強く反発して、４か月間にわたってドイツの閣僚の中国訪問や２国間の定期協議を拒否するなど事実上の報復措置を取っており、ダライ・ラマ１４世の外交活動に神経をとがらせています。