「見えた!これが胆石の正体だ」
胆石患者の胆汁を、体温と同じ37度の状態に置いておくと、コレステロールの結晶が発生しました。しかも、日を追うごとに結晶が成長し、巨大化していきました。
胆石には種類がある
胆石には多くの種類があります。代表的なものをご紹介します。
- コレステロール胆石: 現在日本人に最も多い
- ビルビリン胆石: 血液の成分が固まったもの
- そのほかの胆石: 上記以外の成分でできている、あるいは、さまざまな成分が混在しているもの
「ビルビリン胆石」や「そのほかの胆石」の中には、X線に映るものがあります。また「コレステロール胆石」も、石灰化といって成分の一部がカルシウムに変成したものはX線に映ります。
胆石を発見する方法
お腹に超音波を当てて、内部の様子を探る「エコー検査」が活用されています。エコー検査では、胆石のタイプや大きさにかかわらず、かなりの高確率で胆石を見つけることができます。最近、胆石患者が増えている背景には、エコー検査の普及が挙げられているほどです。
エコー検査は、多くの人間ドックに含まれています。また健康診断でも、希望すれば多くの医療機関で受診することができます。
胆石の最大の原因は、コレステロールの摂りすぎ
コレステロールを含む脂質中心の食生活は、胆石の最大の原因と考えられています。コレステロールが体に多く取り込まれることで、胆汁内のコレステロール量が増えたり、胆のうの働きが低下することなどが、その要因として考えられています。
胆石が引き起こす症状には、どんなものがある?
石があっても、胆のうの中にある限りは、ほとんど自覚症状はありません。しかし胆石が胆のうの外に転がり出て、運悪く管に詰まると、さまざまな症状が引き起こされます。
最も多いのは「胆のう炎」。胆汁の流れが悪くなるために起こるもので、慢性的な炎症や痛みが起こります。また肝臓も、同じ理由でダメージを受け、場合によっては肝炎や肝硬変が起こります。最悪の場合は、よどんだ胆汁の中で細菌が繁殖し、全身に回る「敗血症」という症状も起こりえます。また胆管の腸への出口でつまった場合は、すい臓から分泌されるすい液の流れが悪くなるため、急性のすい炎などが起こることもあります。
ただし、胆石が詰まっても、かならず症状が起こるとは限りません。たとえ石がひっかかっても、胆汁やすい液の流れをあまり阻害しない場合は、症状はあまり起こりません。また、一度ひっかかった石が、何かの拍子で胆のうに戻ったり、逆に腸へと排出された場合は、症状が起こっても一時的なものであることが多いと言われています。
石がひっかかる確率は約3割
胆石の中で、症状を起こさないものを「無症状胆石」と言います。
詳しい統計はありませんが、無症状胆石は全体のおよそ7割と言われています。番組ではこれをもとに、胆石がひっかかる(症状を引き起こす)確率を「3割」と紹介しています。
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