NECと東京工業大学は18日、次世代のスーパーコンピューターの実現に欠かせない装置を試作したと発表した。コンピューター内部での信号伝達を高速化するもので、世界最高速となる毎秒25ギガ(ギガは10億)ビットでのデータ伝送に成功した。政府が2010年ごろの実用化を目指す毎秒10ペタ(ペタは1000兆)回の計算が可能な次世代スパコンの開発に役立てる。
NECなどが試作したのは、コンピューターの大規模集積回路(LSI)同士を光信号でつなぐための装置。電気信号を光信号に変換する半導体レーザーなどと、1000本の光回線をまとめて隣のLSIに伝送する接続部品とを組み合わせた。大きさは10センチメートル角程度。
スパコンは内部で複数のLSIや装置などをつないで超高速計算を実現する。現在はほとんどがLSI同士を電気配線しているが、毎秒10ギガビットを超える高速でのデータ伝送は難しい。今回開発した光伝送技術の実用化が期待されていた。最先端のLSIを組み合わせれば、文部科学省が開発を進めている毎秒10ペタの計算能力を持つスパコンの実現も可能という。(01:19)