まず一番最初に書いておく。創作は一切含んでいない。以下は全て事実だ。
俺は小さい頃に親から押入れの下の段に押し込められて育てられて、便所であれ飯であれ少しでも俺が外に出るような素振りを見せると、親は俺が動かなくなるまで、嘔吐しようが骨折しようが暴行を加え続けた。これが物心付いた頃から中学まで続いていた。最近になって知ったが俺は母親が四〇も近くなってから、既に元夫と離婚している状態でどこの馬の骨ともわからん男との間に作られた子供で、もはや父親もわからない。母親に限った話ではないが糸柳家の多くは精神状態が不安定で、母親は俺を発狂の捌け口にしていた。創作だと勘違いしている馬鹿がいるようだが全て事実だ。押入れの下の段では座ることもできないので眠り続けるしかない。現実では飯も満足に食えずにいつ何をされるのかもわからない。母親も表向きは、知性を全く感じない笑顔で俺を褒め称えていた。これは気狂いの処世術であり、世界を憎みながらその世界に依存しなければ生きていくこともできない。
幼い子供には母親しかなく、恐怖と苦痛により感情の発露すら止めるまで暴行を続ける母親にさえ好かれようとする。母親は幼い俺が歳の割には文字や計算の概念の理解するのが早かったことを自慢することで母親としての周囲の理解を得ようとしていた。俺にはもうこれしかないのだと思って幼稚園で一人、遊戯も全て無視して孤立し教育番組を見続けていた。俺が話しかけようとすると母親は俺を殴り、今日学んだことを話して聞かせて褒めて貰おうとしても蹴り飛ばされる。そもそも母親は俺を褒めたのではなく、周囲への自分の売り込みのために俺の能力を挙げただけだった。子供に社会的判断力など無い。俺は能力を得ることで母親が褒めてくれるのだと完全に勘違いをしたまま思春期を迎えた。
反抗期になって、ようやく母親の知能が世間一般のものより遥かに劣るものだということが確信できた。俺は何もかも間違えていて、母親は仕事でその場凌ぎの言い逃れを続け、田舎の、明らかに堅気ではない借金取りがする暴力に家庭ごと晒されて、逃げ道を失っていた。
この時点で俺はかなり精神がおかしくなっている。そもそも物心の付いた頃から小動物を殺した快楽で「死んだこいつらよりも上になった」と言い聞かせることで歪みを改善しようとしていた俺は、小学校に上がる前に犬猫を殺し始め、中学の時点で様々な機械薬品などを動物の餌に混ぜて可愛がっている風を装い動物を殺すようになっていた。山ばかりの土地で動物が死ぬことは珍しくなく、民家の少ない場所で行動すれば誰にも見付からなかったし、そもそも動物を殺している奴など他にも山程いて、山の上に通じる道に明らかな人的被害による動物の屍骸が転がっていることもままあった。小学校低学年の頃からは同級生の顔面を目掛けて椅子や机を投げつけるなどしていたし、ともかく他の生物を攻撃しなければ自分を保つことはできないのだというのが当時の価値観だった。俺は母親を殺してようやく自分が救われるのだと信じていたし、今でも殺さなかった頃を後悔している。
中学を卒業して高校に通うようになった頃、母親が膠原病という原因不明の病気で倒れた。すぐに骨と皮になったということは聞いていたが、そのお陰で入院治療費は全額公費負担になったようだった。俺は殺そうとしていた相手が病院という保護環境下に置かれ、更に殺さなくても勝手に弱って死ぬのだと知って愕然とした。どうしたらいいのかわからない。借金取りは我が家を攻撃し続けており、俺はしばらくして高校を辞め、フリーターとして時々は開発の仕事を取りながら運送やらビラ配りやらラーメン屋やら、あちこちで働いて生活費を確保していた。四年が経つうちに、俺は押入れの下の段のことを忘れていった。この頃が人生で唯一恵まれていたと断言できる。インターネット以外で殆ど誰とも親密に関わらなかったからだ。俺は他の生物を攻撃などしなくても生きていけるのだと知って、山に登っては猫と接するようになり、何かを攻撃することはしなくなった。
技術者の末席を汚す者として自分の今後に危機を感じた俺は上京することにして、本格的にそれだけで飯を食っていこうとしたが、そこにあるのは凄惨な業界構造だった。孫受けだの曾孫受けだので搾取され、誰も何も把握していない中で自分の裁量も無く、ただ安月給で働かされる中で、今計算すると同じチームで働いたことのある人間だけでも三〇人以上の同僚が次々と過労で倒れ、鬱病で入院し、失踪した。どこに行っても辞めた人間は「賢い」と言われていた。俺は能力を獲得して、骨を折られたりすることなく母親からただ褒めて貰いたかっただけだ。山で猫と遊ぶ以外に能の無い人間が、辛うじて持っていた技術以外に今更他のことなどできるはずはなく、俺は何度もあちこちの会社で引き抜かれながら、そのたびの転職先の会社が潰れる、会社が腐りすぎていて皆が辞め続けるので俺も辞めるといったことを続けて、そして上京してから五年が経った。
俺は母親の幻覚を見るようになっていた。俺は技術が認められない社会を、押入れの下の段に押し込められて母親に暴行される十数年と重ねていた。母親が俺を殺そうとしている。幻影の母親は死んでいるが、俺を殺すと言うし、俺の首を絞めることも度々あった。今度こそ殺さなければ俺は殺されてしまう。殺す前に殺せ。幻影と戦ううちに、路上で突然の暴行を繰り返すようになった。幻影は実在せず、全く無関係な通行人を殴り倒していた。
「殺すぞ」と叫ぶ俺に隣家の人間が文句を言った。俺は幻影の母親が隣に住んでいるのだと確信し、包丁で隣家の玄関を叩く。鍵が閉まっている。殴り続けて折れた包丁を玄関のポストに叩き込んで叫び続けていると警察がやってきて保護扱いのまま、二〇〇六年一〇月頃、都立松沢病院の閉鎖病棟に入れられた。
閉鎖病棟では最初の三日間、独房にて暴力性を排除するためにまず全身を拘束する。両手、両足、腰、頭をベッドに固定し、おむつ一つで点滴のみを使って生活する。狂った精神の人間を固定するなど、本人にとっては考えられることではない。骨折した時にはあまりの苦痛で我慢のならない不快感が腹を襲うが、それが常に全身に存在するような地獄だった。点滴には大量の薬剤が投入され、頭部には電気ショックを与えられる。独房には「殺してください」という言葉が飛び交い、その中で人格を殆ど失っていく。廃人のようになった虚ろな人形が独房から放たれ、閉鎖病棟内へ移動する。
先程の全身を襲うおぞましい苦痛は日増しに悪化していく。異常な焦燥感があり、暴れまわるか眠る以外に何の活動もすることはできない。テレビが一台あるが脳機能が低下し過ぎているため、頭の悪いワイドショーですら何を言っているのか理解できない。文章は一行を読むことができない。他の患者と会話をすることはできるが、お互い廃人なので何を言っているのかは理解できていない。叫べば注射をされ、数日間独房に戻らねばならない。独房はコンクリートだけの四畳ほどの部屋で、小さな窓には鉄格子があり、扉は重く頑丈な鉄でできている。扉には小さな穴がある。トイレは穴があるだけで、異常者が無駄水を使わないように外に言わなければ水を流すこともできない。俺は完全に気が狂ってしまっていて、もはや自分を制御することはできておらず、他の患者に一言悪態を吐いた結果として独房に入れられた。
退院しても異常な精神の暴走を抑えることができない。苦痛が四六時中続いている。電車に乗るなど人ごみに入ることなど退院して一ヶ月経つまでは到底できなかった。
閉鎖病棟に入って人格を破壊させられるレベルになると、多くの事例で医師は治すことを放棄する。そこまで壊れた人間は治らない。他者に危害を加えなければ医療行為は実質的な終了になり、あとは薬を定期的に飲むだけの日々に切り替わる。そして治らない者達の多くが社会復帰に失敗する。俺は入院中の人間の数名と電話番号を交換していた。入院中の仲間は一〇名であり、そのうち二名が自殺をした。更に二名も死亡を確認したが、精神が異常な者はあまりに異常であるために自殺と事故の区別が付かない。この二名がどうであるかはわからない。更に五名はどうやっても連絡が取れなくなった。死んでいる可能性も高い。最後の一人は先日連絡があったのだが、金を無心してきただけだった。親族に見放され、社会復帰もできていないのだと言う。それも当然で、親族に縋ることのできる人間はそもそも閉鎖病棟に入院などしない。
退院して暫くすると、仕事がまともにできないこと、出社が満足にできないことなどを理由に当時の会社を解雇になり、それから五ヶ月後、今の会社に入社が決まった。そして九ヶ月が経ち、俺は治っておらず、病状は悪化し続けている。膠原病の安定した母親が俺の周りに粘着をして不動産屋が怒り、引越しをしなければならなくなった。
引越しの費用は無く、俺は困っていたが知り合いが少なくはない金を貸してくれた。その金を借りる場に同席していたのが amachang(以下、天野)である。天野は俺に対して「ただの無駄遣いが多すぎる。節制しろ、なら金を借りることに賛同する。節制しなければ賛同はできない、金を貸すのは止めろ」と数時間に渡って金を貸す側借りる俺に説得をした。
俺は高い確率で死ぬ。自分が死なないように努力をしようにも、その努力をするという精神がそもそも壊れて機能していない。俺は死にたくない。
金を貸す側が天野に延々と俺の生い立ちを説明している。天野は「はあ?」という顔をしている。「それでも節制はしろ」と言う。天野はどこで恐ろしくなって逃げ場を失うかわからないので様々な無線ネットワークサービスと契約しているのは無駄だと断言した。天野は精神を立て直すために始めた合気道は金の無駄だと断言した。天野は精神を安定させるために飼っている猫は無駄だと断言した。天野は押入れの下の段の幻影から逃げようと、そして狂って叫んでも隣人が俺に何も言わないようにと選択した多少高い賃貸物件を無駄だと断言した。天野は俺が死のリスクから逃げるために使った金銭は無駄だと主張する。俺にとっては金銭などどうでも良い。月に数万程度の出費などどうにでもなる。少しでもやりたいようにやる。節制により精神に負荷が掛かる行為は金銭が浮くのではなく、生命を失う危険を大きく孕んでいる。節制も可能だが俺は死にたくなどない。無意味な賭けに命を乗せるつもりはない。俺は死の可能性を遠ざけることだけを考えなければならない。
結局天野は金を貸す側の説得に折れ、俺は金を借りた。納得した訳ではなく、最後まで「はあ?」「で、何の病気なの?」などと疑問を持った顔をこちらに向けてくる。閉鎖病棟に入るぐらいになると病名など教えて貰えない。俺が口ごもると、天野は俺の病気を嘘だと思ったようで、再び「答えられないの?」と言った。天野は俺の死の可能性を高めるだけの存在であり、それは金銭的問題だけではなく、これが精神病疾患者に対する社会の正しい反応なのだということを知って、俺はより不安定になっていった。
頻繁に天野の声が浮かんで俺の精神を強く圧迫している。天野は俺の生命を確実に死へ向けて捻じ曲げている。
今では会社で完全に孤立している。俺は自分の精神を安定させるために、毎週末、誰でもいいから会うようにしている。先々週は誰にも会えそうになく、単に遊びに誘うようなことをして失敗して誰にも会えない週末により精神が悪化する危険が恐ろしくなって、おっぱいパブの話題が盛り上がったチャットで無理に nagayama を誘ってそのまま店に行った。借金はあるが俺には死のリスクが掛かっている。たかだか一晩遊ぶ、一万にも満たない代金などどうでも良かった。
先週は誰とも会えなかった。俺はかなりおかしくなっており、再び幻覚が見えたり、狂って周囲の物品に八つ当たりをするといった行為に及び始めている。幻覚と戦おうとして本当に殺してしまい再び閉鎖病棟へ措置入院をされるか、単純に異常により事故か自殺で死んでしまうかしてしまう。四人の仲間は本当に死んだ。日本における自殺での死者は交通事故死者の三倍に達している。
俺は死にたくない。だから三月二〇日夜二時、どこぞのオフの二次会にタクシーで飛んでいって参加した。そこには天野がいた。天野は他人が自分とは違う前提を持っているということを全く考慮しない。
先日開発技法について天野と俺を含めた数名が議論したことがあった。不特定多数の大規模開発においては、技術の向上よりも少しでも確実な開発を行わなければならないという趣旨の発言を誰かがしたところ、天野がそれはどうかと言った。周囲の人間が何度も「大規模開発にはそれなりの事情がある」と説明をしたが一向に納得する様子が無く、一時間後にようやく「わかった、事情があるのはわかった」と折れていた。そもそも大規模開発の現状も知らず、いくら説明をしても「でも技術の向上を優先しなければ」などと言っていたが、天野は大規模開発どころか数十人の開発体制すら経験したことがない筈で、自分がやったことも責任を持ったこともないことに偉そうに口を挟むことは、技術をやったことのない人間が「いや、技術はこうあるべきだろ」と言って本職から指摘されても折れないのと同じで、否定された側に極めて失礼な行為なのだがこれの一応の理解に一時間を要している。繰り返すが、天野は他人が自分と違う前提を持っているということを全く考慮しない。
三月二〇日に、再び俺は天野から、金銭の使い方について非難された。俺は死にたくないだけだ。金などどうでもいい。月に数万程度の小銭を節制することで死のリスクが掛かるというのなら、俺は金を使う方を選択する。天野は他人が自分と違う前提を持っていることを全く考慮しない。天野も昔借金があって節制をして返済をしたという。だから何だというのだ。借金などどうでも良い。俺はただ死にたくないだけだ。
俺はその時点で完全に壊れており、そのオフにも何とか精神状態の不安定をごまかそうと変なグッズを持って行き勢いで乗り切って楽しもうとしていた。しかし金銭をどうこうと言われ、俺は金ごときのために死ななければならないのかと手が震え始めてから全てが駄目になり、俺は手足が激しく震え始めて、携帯電話で始発の時間を確認し、部屋の隅で震動しながらうずくまり、何度も時計を見て始発の二〇分前にここを出るのだと自分に言い聞かせて耐えた。家主には悪いことをした。俺は周囲の物や人間を破壊することばかり考えていて、それを抑えるのに必死だった。
俺はそのオフを行っていた家を出て、駅に向かった。周囲に靄が現れて、徐々に人間の形になっていくような気がした。完全に壊れており、警察に捕まり閉鎖病棟へ措置入院になった時と同じだった。当時の俺に自覚は無い。恐ろしいものが現れて、俺は殺されるのだという認識しかなかった。叫び声を挙げてあちこちに殴る蹴るを繰り返していたのは覚えている。誰かを殺したかも知れない。実際に誰かを殺すかも知れないから入院して、その頃と同じ状態になっている。入院すれば俺はあの、誰もが死を望みそれを口にするような地獄に戻らなければならない。そうでなくても高い確率で死ぬ。俺は死にたくないだけだ。少しでも死の可能性を避けなければならない。
下林という知り合いがおり、そいつは生まれつきの心臓病が発病し、ICD という機械を胸に埋め込んでいる。この機械は心臓の機能がおかしくなると自動的に電気ショックを与えて正常化するというもので、これがなければ下林はすぐに死ぬ。一ヶ月と少し前に初めて心不全が発生し、偶然近くにあった AED で一命を取り留めてからすぐに ICD を埋め込んで、僅かな間に二度も心不全が発生して自動的な電気ショックで生命を確保している。下林はこの機械が無ければすぐに死んでしまう。死のリスクを負うぐらいならば、例えこの ICD が一億だろうと買うに決まっているし、心不全からの復帰に失敗する可能性や、ICD が機能を停止してしまう可能性もゼロではにため、そもそもの心不全を発生させないために僅かでも生活を安定させなければならない。俺と同じ状態にある。天野は他人が自分とは違う前提を持っているということを全く考慮しない。下林に対してこう言うだろう。
「心臓が機能を停止するからなに? 生活は節制しろよ」
俺にはこれと同じことを言ったのだ。何度も説明をしたのに何度も言った。天野は最初に俺の金銭について非難した翌日、自分に都合のいいところだけを並べていつものように信者から褒められて自分を満足させている。この記事には非難の対象がいることやその対象である俺が病気であること、その背景があったことなどは一切記述していない。こいつは俺がどうであるかなど全く考慮していない糞だ。そしてこうやって書けば「僕は真摯に受け止めます」などと思ってもいないことを言うか、「僕はそんなことを言っていない」「そう言いたかったつもりではなかった」などとどうでもいい糞を言うのだろう。どう言ったところで信者が絶賛するのだから、オフに出ると頻繁に「糸柳は言動がおぞましいので嫌いだ」などと面を向かって言われる俺と比べ、常に安泰だ。自分の感情に素直に、そして他人を一切考慮せずに叫んで回れば周囲が可愛がってくれるのだからこれほどいい環境は無いだろう。
n.+ nite だの 1ksp だの今後その界隈で参加を予定していたオフは全てキャンセルする。命を代償にしてまで参加するようなものではない。あとは居場所の無くなった俺が完全に壊れるだけだ。死ね、腐った糞。俺と下林の代わりに死ね。
ssig332008/03/20 14:571000speakers本当にこないんですかー?残念ですねー