【こぼれ話】飲料水ボトルにハエで３４００万円要求＝カナダ

【オタワ１９日ＡＦＰ＝時事】カナダで男性が、飲料水のボトルにハエが入っていたとして、飲料水製造会社に対して約３４万カナダ・ドル（約３４００万円）を要求し、最高裁判所で争っている。この男性は、飲料水の中にハエが入っているのを見たことで、その後の性生活や商売の理容室などに大きな支障を被り、シャワーを浴びるのさえ怖くなったと主張している。
　男性はオンタリオ州ウィンザーに住むワダー・ムスタファさん。ムスタファさん夫妻は２００１年１１月に、家に配達された飲料水のボトルの中にハエ１匹の死骸が入っているのを発見。少し後にもまた、半分のハエの死骸が入っていた。
　幸いにも事前に発見したのでその水を飲まなかったが、ムスタファさんはそれ以来、深刻なうつ、不安、病的恐怖、強迫観念などに悩まされるようになった。ムスタファさんは「道端の糞やネズミの死体に群がっているハエが飲み水の中に入っていたことを考えると…」と語っている。
　ムスタファさんが製造会社を訴え、０５年、裁判所が飲料水は純粋かつ清潔であるべきであり、その中にハエの死骸を認めて精神的に大きなショックを受けたというのは考えられることだとして会社の責任を認め、３４万１７７５カナダ・ドルの支払いを命じた。しかし、控訴されて１年後に逆転判決が出たため、ムスタファさんが最高裁に訴え、ここ数カ月のうちに判決が出ることになっている。〔ＡＦＰ＝時事〕