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記者ノート

富山発のアニメに期待 文化部・沢村 豪太

2008年03月13日

 久しぶりにテレビアニメを見た。小学生のころに放映された「タッチ」など、一九八〇年代の作品でノスタルジーに浸ったわけではない。南砺市城端のアニメ制作会社が地元をモデルに舞台設定して作り、衛星放送などで現在放映中の「トゥルー・ティアーズ」だ。

 坂の続く城端の町、立山連峰を望む海岸、散居村…。なじみのある風景を見つけ、うれしくなった。のどかな町を背景に、高校生の男女五人の日常を淡々と描く物語はどこか懐かしく、心地よい。

 制作するピーエーワークスの堀川憲司社長は「アニメ会社が集中する東京では人材の奪い合いが激しい」と話す。アニメーターの見習い期間は長く、厳しい業界に入ってすぐ辞めるケースも多いそうだ。同社は平成十二年に南砺市で創業して以来、全国から毎年十人前後の新人を採用してきた。都会と異なる環境で、じっくり人材を育てた成果が実を結びつつある。

 「トゥルー・ティアーズ」放映後、城端を訪ね歩く若者が増えたという。意欲ある会社が生む富山発のアニメの力に期待したい。

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