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西紋医療の課題、肌で実感〜紋別、別海、札幌医科大学結び、テレビ会議
(3月20日付け)
 札幌医科大学の学生による地域医療実習が今年8月に西紋地区をモデル地区として行われるが、これに向けた事前調査にあたる「地区踏査」が17・18日、西紋地区で行われた。最終日の18日には道立紋別病院でテレビ会議が行われた。同じモデル地区となっている根室管内別海町の町立病院、そして札幌医科大学の3地区を結んで、医師や看護師を目指す学生たちが地域医療の課題を考えあった。
 札幌医科大生の実習は平成17年から釧路・根室管内で行っているが、今回は深刻な医師不足や医療過疎に悩む西紋地区も新たなモデル地区に加わった。
西紋での実習には医学部、保健医療学部の学生ら12人、別海町の実習には14人が参加した。
テレビ会議では西紋、別海の保健・医療の専門家らが、地域の医療の課題を報告し、これに3会場の学生が質問をぶつける形で進行。それぞれの「生」の声や意見をリアルタイムで交換しあった。
 このうち西紋側では、道立紋別病院の及川郁雄院長が講話を行い、西紋地区全体で、この5年間で医師が3割程度、他地域へ流出している現状を紹介。西紋のセンター病院である道立紋別病院も慢性的な医師不足で、かろうじて高度な2次医療を維持している状況にあることを強調した。また医師陣が、札幌医大と旭川医大が中心の「混成チーム」であることにも触れ「大学の垣根を越えて、チームワークのいい仕事をしている。逆にいうと、お互い仲良くしないと仕事が成り立たない」と述べた。
 及川院長はこうした現状を打破するため、道と西紋の自治体が「お金と人を集約して、効率のよい医療を構築することをめざし、広域連合という形態での運営を目指している」と、地域最大の課題である新プランを紹介した。
 学生側も広域連合については深い興味を示し「資金や人材の集約化とはどのような形になるのか」「西紋の遠い町から紋別のセンター病院まで通う交通の整備が必要ではないか」との質問や意見が出たほか、現状の医師不足については「激務で、医師が疲弊しているのではないか」などの声も上がっていた。
 及川院長は「広域連合では、周辺の国保病院を必要な病床数に圧縮し、ドクターもセンターに集約化することになるだろう。交通の便についても、患者の移送のためにバスを動かすことなど、さまざまな可能性が考えられる」と述べた。また一方、医師の忙しさについては「働く時は働き、休む時は休むというメリハリが大切。私の場合、たまに札幌ドームで日ハムの試合を観戦してストレスを発散している」と人間くさい面も見せて、学生たちを和ませていた。
(各会場の様子がモニターに映し出されたテレビ会議。3会場の医療関係者、学生らが意見を交換した=写真=)

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