兵庫県加古川市の鶴林寺で平成14年に盗まれ、韓国人の犯行グループの逮捕で翌年に取り戻された聖徳太子の掛け軸の修復が終わり、同寺で19日、報道関係者に披露された。20〜23日に一般公開される。
掛け軸は、聖徳太子の生涯などを描いた国の重要文化財「絹本著色聖徳太子絵伝」。縦211センチ、横90センチで鎌倉時代後期の作とされる。
犯人グループが掛け軸を丸めて持ち去ったため、折り目がつき、一部が剥落(はくらく)するなど傷んでいたが、京都市の文化財修理業者が5年がかりで修復し、赤や緑の鮮やかな色がよみがえった。修復費用は約5000万円。
犯人グループのうち2人が15年3月に東京で逮捕された際に所持していたが、一緒に盗まれた重文の掛け軸「阿弥陀三尊」は韓国に渡った後、行方が分かっていない。
幹栄盛住職(70)は「文化財はなくなったら終わり。阿弥陀三尊も何とか取り戻したい」と話した。
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