穂香ちゃんに温かいご支援、ご協力を下さった皆様へ
現地病院退院のご報告
穂香ちゃんに温かいご支援、ご協力を下さった皆様へ、現地時間3月5日に穂香は退院を致しました。
術後の容態も安定し現在は、週1回の外来通院をしており経過観察中です。
穂香の心臓は手術前の状態までに回復致しましたが、これからさらに心機能が良くなる事を切に願っておりま
す。今後、日常の生活を送りながら引続き心不全等の心機能の急変に注意しなければならないそうです。
私たちが皆様のご支援でベルリンに渡り1ヶ月半が過ぎましたが、この1ヶ月半の間に本当に様々な事があり
ました。穂香には移植の道しか残されていなかった日本よりドイツに渡れば早急な移植の必要は無いと診断を
され、移植を延ばす為、弁から血が逆流し負担の大きな心臓を治し心臓の負担を和らげる手術を致しました。
この手術で移植が完全に必要でなくなったのではなく移植を延ばす為の通過点であり、穂香にとって自分の心
臓のままで生きるチャンスとなりました。
この病院では既に人工心臓をつけ移植待機中の患者さんがおられ、穂香は人工心臓を装着しておりませんが現
在でも移植待機者である事は事実です。
私たちは「手術報告」で報告させていただきました通り、この手術を告知され実施されるまでに本当に深く悩
み苦しみました。今でもその悩みがなくなった訳では決してありません。なぜ移植でないのか?なぜこの手術
なのか?今後帰国した後、数ヵ月後数年後に状態が悪くなり再びドイツに渡らせていただかなくてはならない
と言う不安。果たしてその時今回のように無事にドイツへ到着できるのか?本当に様々な不安がドイツへ渡っ
た時よりも増えているような気がします。しかし、ほんのひと時その不安を忘れさせてくれるのが穂香の笑顔
です。穂香は少しずつ成長を見せてくれています。まだまだ言葉にはなっていませんが、自分を主張したり要
求したり甘えたりと声に出して、私たちに訴えております。また今まで病院内ベッドの柵の中と言う限られた
スペースでしか遊ぶことができませんでしたが、プレイルームや時には外に散歩に出かけ動ける範囲が広くな
り、一瞬戸惑った顔をしますがすぐに嬉しそうに笑ってくれます。今はプレイルームで一生懸命にハイハイや
立つ練習をしていますが、なかなか上手くいかず怒って泣いたりしています。
穂香は心臓病であり、移植が必要であると言うことを忘れさせてくれる時が私たち家族のかけがえの無い時間
であるような気がします。
ご支援いただきました多くの皆様のお陰で、かけがえのない時間を過ごさせていただいております。何度も何
度も感謝の言葉を出しても足りませんが、穂香に「生きる望み」を与えてくださり本当にありがとうございま
した。
帰国につきましてはこちらの先生方と日本の先生方とで話し合われ決定となります。
平成20年3月19日
福本 祐司
晃子
・渡独のご報告・
ご支援頂きました多くの皆様へ
ベルリンでのご報告が大変遅くなり皆様に対し、非常にご心配をおかけ致しましたこと心よりお詫び申し上
げます。
1月29日、私たち家族はご支援いただきました皆様に見送られドイツへと出発いたしました。飛行中の心
機能の低下も心配されましたが、道中航空会社のスタッフの皆様のご協力のもと無事にドイツへ到着すること
が出来ました。現地時間21時過ぎに病院へ到着し、そのまま病室で心エコー・採血等の検査を受け穂香と私
たちの長い1日が終了いたしました。
到着後2、3日は長時間の移動の疲れがみられましたが、その後はベルリンでの入院生活に少しずつ慣れは
じめ、心機能も少しずつ良い状態にかたむきはじめました。そのような折、日本から装着していた酸素チュー
ブは、具合が悪くなり容態が急変した場合以外は外しても良いと許可がおりました。穂香と私たち家族にとっ
てとても嬉しい出来事でした。その後、穂香の状態も非常に安定しているため、2月4日に一時退院となりそ
の日の夕方にマクドナルドハウスへと移りました。また、1日2回散歩程の外出も感染症などの心配がある人
が多く集まる場所以外のみ許可されました。酸素チューブが外れるだけでなく、マクドナルドハウスでの一時
待機ではありますが家族3人が病院以外の場所で生活が出来き、また散歩までできると言う事は夢にも思って
おりませんでした。
私たちは世界中の様々な病気の子どもやご家族が暮らすマクドナルドハウスで共に生活をしており文化の違
いや言葉の違いはありますが子を思う気持ちは皆同じであることを改めて感じることが出来ました。ドイツ語
も英語も会話出来ない私たちでしたが、今は挨拶もこちらから自然と出るようになり片言のドイツ語や英語で
通じなくても頑張って話す様になりました。少しずつマクドナルドハウスの皆さんからも穂香を可愛がってく
ださるようになったり、また私たち夫婦にも気軽に話しかけてもらったりとこちらでの生活にも少しずつ慣れ
てきました。
穂香はその後3Dエコー検査等の為通院し、先週の土曜日(9日)に今の検査の状況を判断された後、現地
時間の13日(水)に心臓手術を行うことが決定いたしました。説明では、その心臓手術は、心臓移植手術で
はなく別の手術をおこなうという内容でした。説明の概要は以下の通りです。
12日(火)に行われた教授や医師との話し合いで、穂香の心臓は拡張型心筋症の心臓に間違いないが、そ
の他に左側の弁(僧帽弁)が拡張に伴い正常に閉鎖できておらず、まず、その弁を修復するのが望ましいとい
うことになりました。その手術で完全に心臓機能が正常になるとは限らないが、長い待機期間を考え、待機中
に亡くなってしまう可能性があることを考えると、今行った方が良いと判断しました。また、近江八幡医療セ
ンターの先生方のおかげで、穂香の心臓機能は徐々に改善し、ベルリンに着いてからもさらに改善傾向にあり
ます。そのため、こちらのネットワークに心臓移植希望者として登録してはいただいたのですが、緊急性の低
い移植者登録になったので、待機期間が非常に長くなる(年単位)ことも同時に伝えられました。
私たちはその説明を受けた際に、私達は勿論、小さな子供は日本では心臓移植はうける事が出来ないので、
募金を募り、多くの心温かい皆様よりご支援いただいたお蔭でベルリンに来ることができた事を先生方に伝え
ました。しかし、こちらの先生方も我が国の特殊な状況をご理解いただきましたが、こちら(ドイツ)では移
植は最終的な方法であり、穂香の今の心機能の状態ではまだ自分自身の心臓でいられるとういうチャンスがあ
ると伝えらました。ドイツへ心臓移植の為に来ていた私たちにとってその診断結果は思ってもいないものでし
た。移植の為に多くの方々のご支援ご協力のもとで募った募金です。そのための募金を移植以外の手術で使っ
てしまっていいものか、とても深く悩みました。この僧帽弁を治す手術は日本でも出来る手術です。しかし、
手術の後に心臓機能が悪化すると、小さな子供用の補助人工心臓がないので、日本では一か八かの手術と考え
られています。つまり、小さな補助人工心臓が使用でき、しかも心臓移植が可能なベルリンでのみ、行うこと
ができる手術であることも、日本の先生から聞いていました。そこで、私どもだけの判断で誠に申し訳ありま
せんが、私たち夫婦は穂香が今本当にベストな状態で自分の心臓のまま生きることが出来るなら・・・穂香が
元気になってくれることだけを考えた私たちは、皆様よりいただきました募金を使わせていただくことを決意
いたしました。心よりお詫び申し上げますと共に感謝の気持ちで一杯です。本当にありがとうございました。
残念ながらこの手術をしたから移植の必要性が完全に消えたわけではありません。術後の容態によっては移
植の必要性が有り、またこの手術は移植手術への通過点である事は事実です。手術を受けずこのまま待ち移植
が受けられる可能性はありますが、皆様の善意での滞在の為、長くベルリンで待つことは出来ません。また、
このまま何もせず日本に戻り状態が悪化し再びベルリンに来る事よりも、今こちらで出来る1番の可能性に望
みを託させていただくことをどうかお許し下さい。私たちは穂香の「生きる望み」を信じ決して諦めることな
く、今後も穂香を見守っていきます。こんなにも小さな体で日々、必死に生きようとしている我が子が本当に
愛おしくてたまりません。どうか皆様、私たちのこの想いをご理解していただきますよう宜しくお願い申し上
げます。
穂香は昨日12日手術のため、再入院しました。穂香もいつもと状況が違う事を悟ったのか、昨晩は泣くこ
とも多かったように思います。本日、13日AM6時過ぎに部屋を移動し手術の為の麻酔薬の投与が開始されま
した。手術は8時過ぎに開始され11時ごろに無事終了し、その後ICU(集中治療室)に移動となりました。
麻酔のために眠ったままの穂香と面会し、私たちはこの小さな体で大変大きな手術を乗り越えた姿を見て、大
きな安堵と共に「よくがんばったね」と言う気持ちで胸が一杯になりました。
多くの皆様のご支援があったからこそ、私たち家族はここまで来る事ができました。生きる望みを与えてい
ただきました多くの皆様に対しまして、心より深く感謝申し上げます。大変重要なことが事後報告になってし
まいましたことを心よりお詫び申し上げます。手術は無事に終了し、現在のところ術後は安定している状態で
す。穂香の様子を皆様にご報告させていただきます。
平成20年2月13日
福本 祐司
晃子
ご支援、ご協力頂いた皆様のお力により、日本時間の1月30日(木)の朝方に無事ベルリンドイツ心臓病センタ
ーに到着したと連絡を受けました。祐司さんは当日は病院のゲストルームにて宿泊し、31日のお昼過ぎにマク
ドナルドハウスへ移動、晃子さんは病室にて付き添いをしております。また「病院併設のアパートに空きがで
き次第、そちらに移動になるかもしれません。」とのことでした。
穂香ちゃんに関しましては、これから移植に向けての検査を数日間受けるとこのことで、今後どのようにな
るかはまだわかりませんとのことでした。今後の経過報告につきましても随時ホームページにてご報告させて
頂きますので、今後とも温かく見守って頂ければ幸いでございます。
平成20年 2月
1日(金)
穂香ちゃんの渡独に関しましてお医者様、代理店様、日本航空様のご尽力により、1月29日(火)に決定致
しました。当日は中部国際空港セントレアより、シャルル・ド・ゴール国際空港を経由しベルリン・テーゲル国
際空港という行程となりました。今後の経過報告につきましても随時ホームページにてご報告させて頂きます
ので、今後とも温かく見守って頂ければ幸いでございます。
平成20年1月28日(月)
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