福岡放送局

2008年3月19日 18時31分更新

「てら岡」アラと称し別の魚

福岡市にある日本料理店「てら岡」が、店内やインターネットなどで高級魚「アラ」として販売した魚が別の魚だったことがわかり、販売を中止していたことが明らかになりました。「てら岡」は19日午後、記者会見を開き、社長が「消費者の皆さんに大変申し訳なく、心からおわび申し上げます」と謝罪しました。

福岡市にある日本料理店「てら岡」は、平成14年から宮城県石巻市の水産卸会社から仕入れた魚を、「東北のアラ」として店内で販売するとともに、鍋のセットとしてインターネットなどで販売していました。
ところが、今年1月に客の指摘を受けて調べたところ、この魚は太平洋の深海でとれる「アブラボウズ」と呼ばれる別の魚であることがわかり、販売を中止したということです。
「アブラボウズ」の仕入れ値は1キロあたり1500円前後で、5000円前後の「アラ」と比べると3分の1程度の値段で、「てら岡」では鍋として販売する際も3分の1程度の値段で販売していたとしています。
19日午後、福岡市内で記者会見を開いた寺岡直彦社長は「水産卸会社からは石巻市の魚市場の子会社が発行する証明書を付けて仕入れていた。証明書を信用していたため、この魚もアラの一種だと思っていた」と釈明しました。
そのうえで、寺岡社長は証明書が偽造された疑いがあるとして、損害賠償や刑事告訴を検討したいとしています。
石巻市の魚市場によりますと、今回の魚は東北地方では「アブラボウズ」や「クエ」などの3つの名前で呼ばれていましたが、消費者から紛らわしいという意見が相次いだため、平成19年度から「アブラボウズ」に統一することを決めていたということです。
しかし、その後も「クエ」と書かれた証明書が発行されたことについては、「調査中でコメントできない」としているほか、水産卸会社でも、「担当者が不在でわからない」としています。
今回の問題で福岡県は19日、JAS法の基準に違反するとして、「てら岡」に対して再発防止を指導しました。