必ず打倒する！橋下大阪府知事（就任おめでとう編）

総務です。

やっぱり「手のひら返し」が好きな橋下

前回の記事で前ふりは終わったので、引き続いて橋下府知事就任お祝いの打倒宣言を発していきたいと思います。

橋下については、「出馬は２万％無い」と言ってたのに結局出てるし、「もう借金はしない」って言ってたのに自民党の利益誘導のための事業にまわす債務はだしても良いって言ったりと、手のひらを返すのが大好きなウソつきだ。とか「核武装すべきだ」と言ったりしてて問題発言が多いとか、いろいろな批判はできると思いますが、そのあたりは他の人もよく言っているし、本人も開き直っているので、今回はおいておきます。

そして、批判というのは相手の失敗や些事をつつくよりも、相手がおおっぴらに売りにしていることをぶった斬る方がより有意義なので、今回はそっちの方をさせてもらいます。

　

　橋下徹大阪府知事へ

当選および知事就任をおめでとうございます。これを祝して、私の方からは、貴方と貴方のようなのを担ぎ出さざるをえないほどに深々と危機にのたうつ方たちに速やかなトドメを刺して差し上げるという決意とその理由を述べて、祝辞にかえていこうと思います。

さっそくですが、あなたは府知事就任の日に、府の職員を前にしてなんと言ってたでしょうか？報道では「今の大阪は破産状態。皆さんには破産会社の社員という認識を持ってほしい」と言ったとか。加えて「倒産した企業なら社員のボーナス無し、給料の半分カットはあたりまえ」という主旨の事もよく言ってると思います。選挙期間中もヘッタくそな芝居がかった泣き落とし演説以外はだいたいこんな感じの演説ばっかりしてたと思います。つまり、これがあなたの政治主張の基軸、アルファでありオメガやということですね。

これに関しては「よお言った！」と言ってあげたい。資本家の子飼い政治家のくせに自治体破産を公言するとは、まさに良お言うたって感じです。橋下よ。あんたには見識が無いのか、それとも熟考の末に覚悟して言ってるのかは知らんけど、資本主義社会において「自治体破産」っちゅうのは一般的には公言したらあかんことなんやで。

なんでなら、自治体の崩壊っちゅうのは生活基盤の破壊を直接に意味するからや。道路、上下水道、住宅、清掃、医療、教育、生活保護、失業保険、・・・。人間が社会生活を営む上で必要不可欠な領域を担ってるのが自治体業務です。さらに、公園整備や博物館、図書館、住民用の多目的施設など生活必需を超えた文化的発展のインフラを住民全体に（必ずしも平等やない現実はあるけど）保障するいう観点からも自治体業務は行われてる。そういうことを保障することで安定的な社会を構築する目的が自治体業務にはあるわけです。

そして、今の日本の自治体は当然ながら資本主義社会における自治体なんやから、その運営は社会の共通基金やなくて、労働者、資本家など各階級からのいろいろな徴税を通してなされてる。本質的にも名目的にも不平等な分配が行われてる社会で、住民総体の社会的インフラが成り立つか否かは、ひとえにその社会でもっとも有利な分配を受けている階級が、どの程度その社会的インフラの運営に責任を持てるかにかかってる。

つまり、この資本主義社会においては自治体が成り立つか否かは、資本家階級の懐具合次第やということです。

せやから自治体破産を宣言するいうことは、資本家階級がその自治体の運営ができないほどに危機的な状況にあるか、その責任をドブにほかしたんやということであって、どっちにしても資本家階級にとっては「敗北宣言」に等しい。

　自民党っていうブルジョア政党の支持をうけて立候補しときながら、資本家階級の敗北を公然と宣言することをやった橋下府知事を「嘘つき」とだけ弾劾するのは不当でしょう。

　数多くの破廉恥なウソに混ぜ込みながら、資本家階級の恥ずべき敗北を高らかに宣言した橋下府知事に敬意を表したい。

ところですが、あんたはやっぱり破廉恥やな。

そして、あんたが破廉恥なところは「嘘つき」ということやない。せっかく真実を語りながらも、その責任について最も恥かしい「開き直り」をやってるっちゅうところです。その開き直りをもっともワカリヤスク表現してるのが「破産企業の社員なら給料半分」という言葉です。

　この「開き直り」こそがあんたの本質であり、引いてはあんたを支持した自民、公明党および資本家階級の本質や。ようするに、もう資本家たちは社会運営には責任とれんっちゅうこと、そしてそのことを明らかにしたときに、我が責任を全て投げ捨ててオノレだけは生き延びるために全部のしわ寄せをオノレら以外の住民諸階級に転嫁するということや。

　「破産企業なら・・・」って言うんやったら、まずもってその企業の経営者は誰なんか？そやつ等はどんな処遇を受けるべきなんかを明らかにせえ。それを一寸も言わんと「社員の処遇」を語るのはこの上ない論議のすり替えやし、なにより最大の責任者がオノレの責任を「開き直る」ことを意味しとる。例えば会社潰した社長が自分はどないして責任とるか全然言わんと財産隠したまま社員の給料や退職金ははらわへんなんてことも「民間企業デハアタリマエデス」のキメ台詞で乗り切れると思てるのか？

　もうすでに述べたけど、資本主義社会では自治体運営の成否は資本家階級の懐具合次第で決まります。資本家が得た利潤の中からどんだけが所得税や法人税、固定資産税などをとおして国や自治体に回収されるんかが自治体運営の鍵をなしてる。資本家の中には「いやそうではない。労働者や農民の方が数が多いんだからこいつらがもっと納税すべきだ」っちゅう恥の上塗りを述べる連中もいるかもしれん。そういう連中には「せめて統計に明らかな事実に基づいてモノを言いたまえ」と言っとこう。

　この１０年の間に日本のＧＤＰは６％ほど伸びてる。せやけど、その分配において資本家階級は、経営者所得において２倍。株主配当に至っては１７０倍超の分配を得ているのに、労働者階級の所得は逆に６％減少してる。所得格差に関して言えば最高所得層と最低所得層の格差は１０年前の２０倍未満から４０００倍超にまで拡大している。

　こういう統計を見たら、自治体に対してより大きな責任を負うべきなのは資本家階級やっちゅうことが明らかやろう。にもかかわらず国にしても自治体にしても、資本家階級総体の負担は減少してる。それだけやなくて、国債・地方債の発行で住民層全体に膨大な借金を課し、それを銀行や資本家の利益誘導がなされる事業にばらまいて、なおかつ自分たちが払う税金は減らしていく。これは、自治体っちゅう社会インフラを利用して、ただでさえ有利な分配を得ている層が別の住所階級から収奪をおこなっているいうことを意味してるやんけ。

橋下よ、自分が「嘘つき」やなくて、「開き直り」もしてへん誠実な人間やーと言うんなら、「大阪府の借金は５兆円」いうことをセンセーショナルにがなりたてる前に、誰が、どんな構造のもと生み出した借金なんかを明らかにせんかい。

アンタが何をガタガタ抜かそうが事実は一つ。大阪府はたしかに破産してる。いや、大阪府だけやなく日本自体が資本主義として破産してるんや。せやけど、その破産を生み出したんは「自治体職員」でもなければ、「国民」「府民」なんちゅうモンにカテゴライズされる住民総体でもない。資本家や。資本家階級が破産して、社会運営に資するだけの力を喪失したがゆえに、本来なら自分たちこそが最も大きな責任を負ってるはずの自治体や国家機構を自分たち以外の住民を支配し、掠め取るための暴力機関、収奪機構へと（もともとそういうモンやけど、ますますそういう傾向だけを強める方向で）作り変えようとしてるっちゅうことが事実や。

今回の大阪府知事選挙においてあんたがやったのは、そういう社会運営能力を喪失し、オノレの延命だけを追求する資本家階級の子飼いとしての選抜競争を民主党の熊谷、日本共産党の梅田と争ったっちゅうことや。ほんでより多数の住民を「騙す」ことに成功したことのご褒美として府知事の椅子を得たわけや。資本主義社会における選挙っちゅうのはブルジョア階級のうちどの部分が一定の期間労働者階級を搾取する番頭となるんかを競い合うもんでしかないけど、今回の選挙もその典型やった。

そして逆にいえばあんたの当選なんかはその程度のことでしか無いということや。労働者にとっても、そしてアンタの主人の資本家たちにとっても、重要なことは番頭を誰が勤めるかやなくて、そいつがどんな役割を果たすんか、ということや。

そして、あんたに与えられた役割はひとえに資本家階級の「偉大なる開き直り」役や。資本家の破産を居直り、住民諸階級にその矛盾を押し付けきって資本家を生き延びさせること。手っ取り早く言うと法人税や固定資産税を減免し、企業活動を円滑にしつつ社会保障やインフラはうちらから奪い去っていくいうことや。

自治体労働者に対して発した「破産企業の社員としての自覚を持ち、給料の減額に応諾せよ」という恫喝は、自治体労働者を斬りつけつつ全労働者階級を串刺しにしようとする資本家階級の恫喝そのものや。

賃金が半分になってるのに同じ質と量の労働なんかできるわけあらへん。賃下げとかで自治体労働者の生活を破壊することは、結局は住民総体の社会的インフラを破壊することを意味するわけや。

だいたい自治体か民間企業かしらんけど、何で資本家の失敗のツケを労働者が払わんとあかんのや？労働者には不当な命令を拒否する権利はあるけど、正当な業務命令には従わなあかんいうのんは、お前ら資本家の作った法律の基本骨格やんけ。経営の失敗に労働者は責任負わんとあかんとかいう詭弁を通用させたいんやったらせめてあらゆる業務への無条件の拒否権を労働者に認めてからぬかせ。

ようするに「資本家階級は破産した。しかし資本主義社会の中では労働者と資本家、国家と国民、自治体と住民は運命共同体だ。だから、破産の結果をお前たちも背負え。いや、俺たちは負わない。お前たちこそ最も多く負え。でなければ社会は成り立たないのだから。」っちゅう恫喝をあんたは資本家階級を代表して発してるワケや。

なるほど、そのとおり！あんたの言うてることは全面的に正しい！！資本家と労働者は運命共同体や。労働者は会社が潰れたら路頭に迷う。全くもって正しい。

せやけどそれは「資本主義社会が存続しつづける」場合だけの「正しさ」や。

せやからちょっと待ってくれたまえ橋下さん。資本家階級の子飼い政治家であるアンタにとっては資本主義の存続は「永遠の前提」なんかも知らんけど、そんなしょうもない前提をうちらにも押し付けるっちゅうド厚かましいことだけは、どうかやめてくれたまえ。

いくらうちらがおおらかな関西人やとしても、許せるのはせいぜいアンタが破廉恥にも開き直りを公言するところまでですわ。そんなことはアンタの自由やからいくらでもやってくれたまえ。　　

せやけど、それならば私たちの自由も認めたってくれ。アンタに資本主義の破産を開き直る「自由」があるのんと同じように、うちらにも自由はある。

「資本主義の存続」を前提なんかにせえへん自由、自らを縛りつける奴隷の鎖を引きちぎって、破産者にはふさわしい末路を用意してやる自由があるっちゅうもんです。資本家を歴史の屑篭に放り込んで、本当に社会を運営できる労働者が社会の主人公になってくために行動する自由、そのために、皮肉にもあんたが暴露してしまった自治体労働者の存在の重要性を深々と確認して、その団結を拡大して全ての労働者、住民とともに、アンタとアンタの主人たちの心胆寒からしめる大反撃を巻き起こしていく自由がうちらにはある。

あんたの自由が勝利するか、うちらの自由が勝利するかは歴史が決定することや。私から言えるんは、うちらはうちらの選んだ自由の勝利のために全力で行動するし、それにアンタが立ちはだかるんなら、遠慮なくなぎ払っていくいうことや。ほんで今のところの君の言説を聞いてると、うちらに立ちはだかってくるやろうことが容易に想像できるから、早めにこう言うとこう。

お前は、必ず打倒する！

最後に、あんたが「大阪府の破産」を宣言したことで、社会の運営を放棄した資本家とその子飼いどもを奈落の底にたたき落とすことの必要性と意義がこの上なくハッキリしました。あんたはこれからますますファシスト的に純化していくやろうけど、あんたの発した破産宣言によって、それより速く労働者階級は革命に純化していけるでしょう。そのことには深々と感謝の意を表していきたいと思います。