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【福井発】

『化粧品』を無許可製造 ステロイド系成分含む 県、自主回収を指示

2008年3月7日

鯖江「ピュアライン」

 ステロイド系の成分を含む保湿クリームを無許可で製造・販売していたとして、県は六日、鯖江市柳町二丁目の「ピュアライン」(山本清美社長)に対し、商品の製造販売の中止と自主回収を指示した。同社は医薬品と化粧品の製造販売について国の承認や知事の許可を得ておらず、県は薬事法違反の疑いで調査している。

回収が指示された3商品の1つ「ゆずりん」

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 自主回収の対象は「ゆずりん」「ピュアインハーブ」「ぬればわかる」の三商品。二〇〇六年十一月からこれまでに、少なくとも計約三千九百個が、主にインターネットの通信販売で全国に流通したとみられる。県内での流通量は不明。

 三商品は「化粧品」として販売されていたが、ステロイド系成分が検査で確認されれば、「医薬品」の無許可製造、販売に当たる。このため、今後の処分について県は「刑事告発も含め、厚生労働省と協議していく」としている。

 ステロイド系薬剤は、長期間にわたって使用すると、免疫力が低下するなどの影響が懸念されているが、県によると、これまでのところ健康被害の報告はないという。

自主回収の経緯を説明する「ピュアライン」の岡田芳浩さん(右)と山本清美社長=6日、鯖江市内で

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 同社は「製造を委託していた工場がなくなったため、違法と知りながら作っていた。ステロイドについては知識がなかった」としている。

 県外でステロイド系成分入り医薬品の無許可販売が発覚し、厚労省の指示に基づいて県が五日、その材料の納入元だったピュアラインに立ち入り検査し、調査を進めていた。

 「ゆずりん」を愛用し、客にも販売していたという富山県の美容室の女性店長は「びっくり。口内炎にもアトピーにも効く商品で、手放せないと言う人は多い。残念です」と話していた。

 

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