東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

万波医師に3千万賠償命令 がん手術後に患者死亡

2008年3月19日 19時19分

 愛媛県宇和島市の市立宇和島病院で2003年、万波誠医師のぼうこうがん手術を受けた後に74歳で死亡した男性の遺族=高知県四万十市=が計約5800万円を求めた医療過誤訴訟の判決で、大阪地裁は19日、市と医師に計約3700万円の支払いを命じた。

 判決理由で大島真一裁判長は、万波医師が膿瘍を探して手で小腸の癒着をはがした際、不注意で腸管に穴をあけたと考えられると指摘。「腸管を傷つけて腹膜炎を併発し多臓器不全に至った」と手術ミスと死亡との因果関係を認めた。

 判決によると、男性は02年11月に宇和島病院を受診。03年1月に入院し、ぼうこう摘出手術などを受けたが、発熱が続いて腹痛を訴え、3月に多臓器不全を起こし死亡した。

 万波医師をめぐっては、病気で摘出した腎臓を移植に利用していたことが、06年に表面化。医学的な妥当性が議論となり、日本移植学会などが批判する見解を表明、厚生労働省も病気腎利用の原則禁止を通知した。

(共同)
 

この記事を印刷する