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宇佐市安心院 安心院温泉センター

気分は「松本清張」 考え事は忘却のかなた

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2003年05月14日掲載 |最新に戻る

 陽気に誘われて、ブドウやスッポンの里、安心院町にある温泉へ。有名な社会派のミステリー作家、故松本清張さんと縁がある?という話も聞いた。これは興味深いと、車を走らせた。
 安心院温泉センターは、町が町民の憩いの場として一九八〇年に開いた。町内下毛の高台に位置する。家族旅行村安心院の中にあり、近くには特産品のブドウを使ったワインが味わえる安心院葡萄酒工房などがある。
 温泉センターの目の前に、松本さんの文学碑が立っていた。「バスは山路の峠を走るが、その峠を越すと(略)安心院と書いて『あじむ』と読ませる(略)」。邪馬台国を題材にした短編小説「陸行水行」の書き出しの部分が碑文となっている。松本さんは小説の中で、安心院町や宇佐神宮などを紹介している。小説の発表後も家族連れで町を訪れ、近くの旅館でスッポンや川魚の料理を楽しんだという。
 「ひょっとしたら松本さんも入ったかもしれない」。安心院町を愛した作家に思いをはせながら、浴場に向かった。中は大きい内湯が一つのシンプルな造り。幼い子どもからお年寄りまで、多くの人でにぎわっていた。早速湯に入ってみる。温度は四三度と少し熱め。温泉とは思えないさらりとした泉質で、においもない。
 「は~」―ついつい深いため息が出た。考え事が頭の中から抜けていく。何ともいえぬ幸せを感じる瞬間。これぞ温泉のだいご味か。ガラス越しに広がる平地の眺めも一見の価値がある。
 入浴客は地元の常連だけでなく、北九州市など遠方からの愛好者も多い。年間で五万四千人が訪れる。院内町五名の男性(55)は「家の風呂より気持ちが良くて、毎日通っている。仕事の疲れを取るのに、なくてはならない場所」と話す。中津市如水の男性(64)は「別府、湯布院だけが名湯じゃないよ」とにっこり。
 湯から上がり、二階の休憩室へ。いすに座り、背もたれに体をあずけると、まどろんできた。今夜は早めに眠りにつこう。

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湯ったりおおいたとは?

温泉天国・大分。名湯、秘湯もたくさん。相変わらずの温泉ブームで、県内各地の温泉はにぎわいをみせています。温泉の楽しみの一つは見知らぬ 人との湯を介しての触れ合い。温泉好きの記者が各地の温泉を訪ね歩き、いろんな人と触れ合いながら、入湯体験をリポートします。

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