厚生労働省との協議でいらだつCO中毒患者・家族ら

厚生労働省との協議でいらだつCO中毒患者・家族ら

 三井三池三川鉱の炭じん爆発事故(1963年)による一酸化炭素(CO)中毒患者が入通院していた大牟田市吉野の大牟田労災病院が、廃止されて社会保険大牟田吉野病院に引き継がれてから、来月1日で丸2年を迎える。しかし患者らが国などに求めている同病院の常勤医増員などは先送りされたままだ。患者・家族団体「三池高次脳連絡会議」は18日、厚生労働省側と協議したが、国は約束を果たさないままで、いらだちと不安を募らせている。

 同病院にはCO中毒患者26人が入院、25人が通院している。

 協議は、国が病院を財団法人「県社会保険医療協会」に移管させる際、医療水準の維持について患者・家族と交わした確認書が履行されていないため、断続的に開かれている。

 同連絡会議は確認書に基づき(1)内科、神経内科、精神科、リハビリテーション科に常勤医確保(2)ベッド数を100床に倍増(3)高次脳機能障害患者らのリハビリ拠点化‐などを訴えている。しかし現在の常勤医は内科、外科の2人で、ベッド数も増えていない。

 一方、1月の臨時国会では「確認書早期履行に関する請願」が全会一致で採択されている。

 同日の協議は大牟田市の大牟田労働基準監督署で行われ、同連絡会議は芳川勝議長らが「委託先の変更も検討すべきではないか」などと訴えた。

 厚労省側は「医師確保のめどがたたず申し訳ない」と陳謝するにとどまった。

 これに対し患者・家族側からは「労災病院を廃止したのが間違いだった」「患者も家族も高齢化している。いつまで待たせるのか」などと強い反発の声が上がった。

 同連絡会議は、20日午後1時半から、熊本県荒尾市緑ケ丘のあらおシティモールで決起集会を開き、引き続き確認書の履行を求めていく方針。


=2008/03/19付 西日本新聞朝刊=